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【世界基準を追いかけろ!】Vol.74 「パットで左を向くクセを直すには?」

目澤秀憲と黒宮幹仁。新進気鋭の2人のコーチが、ゴルフの最先端を語る当連載。今回はパッティングで左を向くクセを直す方法について、パッティング専門コーチの橋本真和氏を交えて議論する。

TEXT/Masaaki Furuya ILLUST/Koji Watanabe

前回のお話はこちら

GD 前回も話しましたが、どうして右を向く人はパットが上手くて、左を向く人はダメなのか、その理由を教えてください。

黒宮 ショットでもパッティングでも一緒ですが、体の左に振ろうとしているのに体が左を向いているということは、目標に対してアウトインの軌道が強くなるわけです。

橋本 Dプレーンで考えると、アウトイン軌道で目標に真っすぐいかせようとすると、フェースはオープンで当てないといけませんから、非常に難しい動きになります。それよりはインアウト軌道でフェース開閉を大きめにしてスクエアインパクトを目指すほうが、動きとしてはまだ自然で簡単です。ネリー・コルダ選手(米LPGAのトップ選手。世界ランキング1位)もそのタイプですね。


GD なぜ多くの人がアドレスで左を向いてしまうんでしょう。

黒宮 どうしても目標に意識がいって、体が開きやすいのだと思います。目線もだんだん左下向きになり、左肩が下がりやすくなる。一番の問題はその「自分の目線とボールの目線がズレる」ということ。アドレスしてカップ(目標)に意識がいくと、顔が左下に傾いていきやすい。そうすると自然と左肩も下がって、目線が左下方向になる。ボールは自然なドローアークのなかでつかまえたいのに、軌道が目標に対してアウトインになったら、それは入らないですよ。

目澤 苦手なラインも出てきますよね。

黒宮 上りのスライスは本当に入らないはず。飛ばないし、左からの傾斜でボールがカップから逃げていく方向ですからね。

GD 左向きの人は、構えを変えればよくなりますか?

目澤 アドレスで左肩を上げる意識を持つだけで右を向けるようになりますよ。

橋本 アメリカのPGAツアーの選手は、スタート前に練習グリーンでどちらかの肩がかぶっていないか、また左右どちらかのひじが高くなっていないか、目線がずれていないかというポイントを、ミラーを使ってチェックしています。特にひじの高さは両ひじの高さが同じ水平状態になっていることが、アドレスの向きやスムーズなストロークに影響を与えますので、重点的にチェックをします。でもプレートがなくても簡単にチェックできる方法がありますよ。

GD 教えてください。

橋本 まずパターを持っていつも通りにアドレスします。その状態でひじは動かさずに手元と腕を上げ、誰かにスティックを両ひじに乗せてもらいます。このときに、スティックが水平ならばOKですが、大抵の人は右側が高くなってスティックが落ちると思います。

GD 右ひじが高いということは、右肩が高い状態なので、アドレスで左を向いているということになりますね。

黒宮 そうです。橋本さんはこれまでアマチュアの人の膨大な量のデータをとってきたそうですが、8割、9割の人が左を向いていたと言っていましたね。

GD まずは両ひじが水平になる構えを目指すということですね。

目澤秀憲

めざわひでのり。1991年2月17日生まれ。13歳からゴルフを始め、日大ゴルフ部を経てプロコーチに。TPIレベル3を取得。2021年1月より松山英樹のコーチに就任

黒宮幹仁

くろみやみきひと。1991年4月25日生まれ。10歳からゴルフを始める。09年中部ジュニア優勝。12年関東学生優勝。日大ゴルフ部出身。松田鈴英、梅山知宏らを指導

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月15日号より