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しぶこの10Y練習法<前編> 青木翔コーチ流、飛んで曲がらないショット力が手に入る!

PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara

先月末に発売された青木翔コーチの初著書となる『打ち方は教えない。』発売まもなく各所で売り切れが続きすぐに重版が決定するほどの大ヒットとなっている。基本的な内容は、選手を応援し、気づきを与え、正しい方向に導く「コーチング」について書かれているが、渋野日向子が学んだ練習法も併せて紹介されている。そのなかにある「10Y練習法」という項目がいま少し話題になっているということで、今回はその内容を青木コーチに詳しく教えてもらった!

解説/青木翔
あおき・しょう。1983年生まれ、福岡県出身。渋野日向子や三ヶ島かな、野澤真央などツアープロをはじめ有望なジュニアゴルファーを多数育成。週刊ゴルフダイジェストにて「笑顔のレシピ」を連載中。先月、自身が唱えるコーチング論を語った『打ち方を教えない。』を上梓。2020年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞

10Y練習の目的

Q. 10Y練習はなんのためにやってるの?
A. ハンドファーストのインパクトを身につけるためです。

GD 先日発売された『打ち方は教えない。』の反響はいかがですか?

青木 どうもありがとうございます。おかげさまで評判がよくて自分も驚いています(笑)。

GD そこでですが、著書の中に「すべての基本10Yアプローチ」という項目があります。全ショットの基本が、10Yアプローチに集約されているということですが、今回これについて、くわしく教えてもらいたいと思います。

青木 キャリーで10Y打つ練習のことですね。たしかに僕、これしか教えてないかもしれません(笑)。もちろん、しぶこも10Y練習をしていましたし、いまでもやってます。

GD 何でこの練習ばかりするのですか。

青木 結論からいうと、ハンドファーストでインパクトするためです。要は、ロフトを立てて打つための練習です。でも、あえてSWを使い、それも10でやるというのがこの練習のミソなんです!


ハンドファーストに打てるといいことだらけ!

●飛距離が伸びる
●番手通りのキャリーが出せる
●コントロールできる
●風の影響を受けにくい

ハンドファーストでボールをとらえるということは、ロフトが立った状態でインパクトできるということ。そのため、フェースでボールを押し込める、いわゆるインパクトゾーンが長くなり、飛距離のみならずボールをコントロールしやすくなるのだ。

みんなハンドファーストに打っている!

ハンドファーストとは……
インパクトで手元がヘッドより先行

体の回転とともに、手元がヘッドより先行する形でインパクトを迎えるのがハンドファースト。ドライバーからアプローチまで、この形でボールをとらえることが大前提だという。

10Y練習のポイント

Q. 10Y練習をするときに注意すべきポイントは?
A. 短い距離でもしっかり体を使って打つことです

GD ハンドファーストでボールをとらえるために、あえてSWを使い10Yの練習が重要とおっしゃいましたが、どういう意味ですか?

青木 ハンドファーストでインパクトするとき、絶対にやってほしくないのが、手先でロフトを立てる動きです。体を使って、ハンドファーストを作ってほしいんです。短い距離だと、手でカンタンにクラブを動かすことができます。逆をいえば、体で打つことが難しいんです。

青木 だから、あえて10Y練習を繰り返すことで、体で打つ動きを覚えさせているんです。しぶこが以前「タコのように振る」と言ってましたが、飛ばすショットも寄せるアプローチも、動きの大きさが違うだけ。全ショット、タコのように脱力して腕は使わないんです。それと、アプローチはスコアメークの要。自然と上手くなるので一石二鳥ですよね(笑)

【ポイント】300Yも10Yも体の使い方は同じです

ボールを遠くへ飛ばすときも、ピンへ寄せるときも、手先で打つのではなく「体が主役」「腕は脇役」となってスウィングするのが基本だという青木コーチ。

“しぶこ”は3ヤードでやっている

いまは、キャリーを3Yにして練習をしているという渋野。「10Yに慣れてきたら、距離が短いほうが難易度が上がるので、いまは3Yで練習させてます」(青木コーチ)

10Y練習の体の使い方

Q. 体を使うというのは具体的にどういうことですか?
A. 腹筋を「ネジって」振るんです

GD 体を使ってハンドファーストでボールをとらえるということですが、具体的にどうやって体を使うのですか?

青木 簡単に言うと、腹筋を使って振るんです。イメージ的には、体の中をネジる感じですね。

GD 体というのは、腹筋という意味なんですね。

青木 “みぞおち”から“ヘソ下”辺りの筋肉を使うイメージです。この動きができると、しぶこが言っていた手を使わない“タコスウィング”ができるようになります。

GD 全ショット、腹筋を使って振るんですよね。

青木 はい。スウィングの始動から腹筋を使ってクラブを動かします。とくに、トップからダウンにかけて腹筋をネジって振り下ろすことで、手元が先行するハンドファーストインパクトが作れます。体の大きな筋肉を使って振るのでパワーも出ますし、ロフトを立てて打てるので、飛距離も出てきます。

【ポイント】腹筋を意識して振り手打ちを防ぐ

クラブを振るのは腕ではなく、腹筋を回すことで行う。これにより、手打ちや上体の突っ込みがなくなり、さらに体の大きな筋肉でスウィングできるので、飛距離アップにもつながってくる。

しぶこも全ショット“腹筋”を使って振っている

後編へ続く

週刊ゴルフダイジェスト2020年6月9日号より

青木コーチのコーチング本
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