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【イザワの法則】Vol.15「ダウンブローは“上から下”に振る? それ、大きな誤解です」

世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」第15回。今回は「ダウンブロー」という概念に関してアマチュアが抱きがちな「誤解」について教えてくれた。

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

前回のお話はこちら

上から下に振るのが
ダウンブローではない

アイアンでいい球を打つための最大のコツが、「ダウンブロー」だと信じているアマチュアは多いと思います。ただ、ダウンブローについては、いろいろ誤解している人も多いので、今回はその点について少し話したいと思います。

まず、ダウンブローというのが、「意図的に」ヘッドを上から下に動かして打つものだと考えているなら、それは完全な間違いです。アイアンのインパクトがダウンブローになるのも、ドライバーでアッパーブローになるのも、スウィングの単なる「結果」であって、わざわざやろうとして起こる現象ではありません。つまり、ダウンブローかアッパーブローかは、インパクトポイント(ボール)が、スウィングの「最下点」より前にあるか、先にあるかというだけの問題なのです。


アイアンはボールが最下点の手前にありますから、当然、ヘッドが上から下に向かって動いている間にインパクトを迎えます。これがダウンブローの原理です。ドライバーのアッパーブローも、ヘッドが最下点を過ぎて、下から上に動き始めたところで、ティーアップしたボールに当たるだけ。スウィングで、何か特別なことをする必要はないのです。

また、アイアンでのダウンブローの度合いは、持ち球によって変わります。私は持ち球がフェードなので、アイアンのターフは深めに取れます。フェードは軌道がアウト‐インなので、ヘッドが上から入る度合いが少し強いからです。

ダウンブローに打つには
正しいセットアップが必要

反対に、ドローが持ち球の人の場合は、ターフが浅く取れます。イン‐アウトに振るほど、軌道がシャローになるからです。たとえば、「ドローといえば」ですぐに思い浮かぶ、手嶋(多一)選手なんかは、ターフが浅いです。

このことから逆に考えると、アマチュアがアイアンでダウンブローに打てない原因は、セットアップが間違っているか、もしくは、スウィングで余計なことをしているか、の2つしかありません。セットアップの間違いというのは、簡単に言えばボール位置の間違いです。スウィングの最下点になるところより、先にボールを置いてしまうと、どうやってもダウンブローには打てませんから。

スウィングの間違いは「ボールを上げようとする」ことがすべてです。ボールを上げたくて、右足に体重が残る、リリースが早くなる、左肩が持ち上がる(早く開く)といったことが起きると、最下点の位置がずれて、それがダフリやトップにつながるというわけです。基本的には、正しいセットアップで、「普通に」振れば、ダウンブローになるはずですが、ボールを上げるクセがある人の場合は、少しだけ上から入れる意識を持って振ってもいいかもしれません。

もうひとつ、考えなくてはいけないのは、使っているアイアンの種類です。たとえば、「ゼクシオ」のような、幅広ソールのアイアンを使っている人は、無理にダウンブローにこだわらなくていいんじゃないかと思います。逆に、上から打ち込みすぎてしまうと、ソールが弾かれてミスが出る可能性もあります。ダウンブローはダウンブローでも、フェアウェイウッドとアイアンの中間くらいの入り方でいいでしょう。

「ダウンブローに打つことより正しいセットアップで
構えることのほうがはるかに重要」

まずはボールの位置を確認しよう

アイアンは、ボールが最下点の少し手前にあることで、ヘッドが上から入り、ハンドファーストのインパクトになる。ボールを最下点より先に置いてしまうと、体ごと突っ込ませない限り、ダウンブローに打つことは不可能になる

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より