Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【待ってろ、ウエハラ!】Vol.15 パットの距離感がよくなる! スタート前の“右手打ち”

【待ってろ、ウエハラ!】Vol.15 パットの距離感がよくなる! スタート前の“右手打ち”

ラグビー元日本代表の大畑大介が、高校の同級生で元メジャーリーガーの上原浩治をゴルフで打ち負かすべく、精鋭コーチ陣に教えを請う本連載。第15回は、前回の続き青木翔コーチが本気レッスン。今回は、パッティングの距離感がよくなる練習方法を教えてもらった。

ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW

前回のお話はこちら

スポーツをやっていると、できちゃうことほど怖いものはないって思う。できないことは、原因を考えたり、練習で克服するでしょ。でもできちゃったら、わざわざそんなことはやらん。ところがある日、何も考えずにやれていたことが、突然できなくなることがある。特に無意識にできていたことほど「あれ?」って感じ。オレのような天才でも結構あるのよね、そういうことが(笑)。そうなると結構ピンチで、立ち返る基本みたいなのがないから、手探り状態になって元の状態になるまでに、時間がかかったりしてしまう。だから、今できてることだからといっても油断は禁物。日ごろからちゃんと基礎を練習して、立ち返る場所を作っておかなきゃあかん。多分オレはパッティングでも天才的な才能を発揮してしまうけど、一応教わって、来るべきピンチに万全を期しておく。待ってろ上原!


アプローチのレッスンが終わり、残すはパッティングのみ。ただ、大畑はなにやらいつになく自信ありげだ。

青木 最後はパッティングですね。ぶっちゃけどうですか?

大畑 そりゃ、もう天才です。

青木 え? 今、なんて……。

大畑 天才だと思いますよ。特に悩みはないし、困ったこともない!

青木 その自信、僕の教え子たちに分けてあげたいです。まぁ、でも一応見ておきましょう。

青木コーチに促され、3メートルくらいの距離を何球か続けて打っていく大畑。そのボールは、見事にカップ周辺に集まっていった。

大畑 また、かましてるなって思ってたでしょ?

青木 い、いや、そんなことは……。でもすごいですね。ストローク中、最後まで体幹がしっかり締まっているので、ゆるまずタッチが安定しています。打ち方はまったく変える必要ありません。

大畑 でも感覚だけでやってるから、タッチが狂ってしまったときのことを考えると不安やね。


青木 じゃあ、右手1本で打ってみてください。

大畑 片手なんて、いきなり難しいこと言うなあ。

「タッチに不安があったら、スタート前に利き手1本打ちをやってみて」(青木)「右手だけで打つなんて難しそうやなあ」(大畑)

右手ストロークで
利き手の感覚を引き出す

早速、片手打ちを試した大畑氏だったが、ここでもジャストタッチを連発し、周囲を驚かせる。

青木 本当にすごいですね! 右手だけでストロークしてもらったのは、利き手の感覚を使うためです。もし、スタート前の練習グリーンでいつものタッチを出せないって思ったら、この利き手の片手打ちをしてみてください。手は感覚が鋭い部分なので、徐々にタッチが戻ってくるはずです。

大畑 これ、ロングパットの練習にいいね。長い距離はいっつも何となくの強さで打ってたけど、ロングパットでもタッチが揃いそうやわ。

青木 あとは、アドレスに入る前と入った後、カップを見ながら2回素振りをしてますけど、これは入る前の1回にしたほうがいいです。

大畑 無意識だったな。でも、何で?

青木 アドレスに入る前、ボールの後ろで素振りをすると、転がりのイメージが湧きますよね。それをアドレスに入ってからもう1度やると、1回目のイメージが消えてしまいます。タッチのイメージはアドレスの前に作り、構えたら打つだけというように役割をシンプルに分けたほうがいいでしょう。

大畑 どれもこれまで、考えもしなかったことばっかりやな。でもこれで、タッチが狂ったときも立ち返る方法が分かった。こんなに死角をなくしてしまって、勝負になるんかな。

青木 実はさっき大畑さんのストロークを見て、ちょっと死角っぽいところを見つけちゃったんですが。聞きたいですか?

大畑 そこまで聞いちゃったら、教わらんわけにはいかんでしょ。よろしくお願いします!

青木コーチが指摘する大畑のパットの死角とはなんだ⁉ 次回も乞うご期待!

「うーん、片手でパットなんて変な感じ……ってカップインした(笑)」(大畑)

【オオハタ’s MEMO】
素振りはアドレスに入る前だけ。
構えたら迷わず打つべし

令和の武蔵になる!

オオハタダイスケ

大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ゴルフのベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語するスーパーメンタル&フィジカルでゴルフ修行へ

迎え撃つは

ウエハラコウジ

上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。同窓生・大畑の挑戦を待つ

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より