新連載【待ってろ、ウエハラ!】「世界一になった同級生にゴルフで勝ちたい!」
ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW
ラグビー元日本代表として、代表戦トライ数のギネス記録を持つ大畑大介。そんな大畑が、高校の同級生で元メジャーリーガーの上原浩治になんとゴルフで挑戦状を叩きつけた! 実は上原、コンスタントに80台で回るというかなりの腕前。一方、平均スコア90台後半、100叩きもあるという大畑。なんとしてでも打ち倒すべく、小誌おなじみのコーチ陣が立ち上がり、怒涛の集中レッスンを開始した!
人生って何があるかホンマわからん。身長176センチしかないオレが代表で69トライの世界記録を作ったり、高校時代ガリガリで控え選手だった上原がメジャーリーグのワールドシリーズで胴上げ投手になったり。そんなオレらが高校の同級生だったなんて、マンガみたいな話でしょ(笑)。ウワサでは上原はかなりの腕前らしいし、そもそも現役の時から結構ラウンドしとったらしい。ちゃんと野球の練習はしてたんか? オレは現役時代ほとんどゴルフクラブを握ったことがなくて、始めたのは引退後。遊び感覚でやったことはあるけど、同級生と対決となれば悠長なことはいってられん。ガッツリ特訓して、絶対に勝つ! スポーツは準備が9割やから。待ってろ、上原!
コーチの体型を見て不安になる元日本代表
ゴルフ好きを自称するあの同級生と勝負してみませんか? という軽めのオファーを「やろ! やりましょう‼」と二つ返事で引き受けてくれた大畑氏。週刊ゴルフダイジェストが全面バックアップし、集中レッスンを実施することになった。初回は、自らの飛距離を1年で50ヤード伸ばしたティーチングプロの小澤美奈瀬。さっそく飛ばしのレッスンをするのだが……。
大畑 初回のレッスンは当然ドライバーでしょ。飛ばさんと、カップに近づかんし、良いスコアで回るには飛ばすのが一番やろ。ゴルフもラグビーも前へ前への前進あるのみ!
GD 大畑さんのために、今日お越しいただいたコーチをご紹介いたします。
小澤 はじめまして小澤美奈瀬で~す。
大畑 えっ? ちょ、ちょっと待って、女性? それもかなり細いけど……。
小澤 こう見えて私、飛びますし、飛ばさせるのも上手なんですよ。
大畑 ホンマに? それは楽しみやけど、ぶっちゃけ選手の結果が出ないのは、コーチの責任だから、今回は頼みますよ。まあ、これは現役の時から言ってきたことだけど(笑)。
小澤 いきなり圧がスゴイいです~。
「飛ぶけど曲がるんですよー。でも、それ直してくれるんですよね!?」
大畑 当たればズバーンって300ヤードくらい飛ばす自信はある。でも、曲がるんよね。
小澤 さすがです♪ 筋力もありそうだし、無限に飛んでいきそう♡ ちょっと打ってみてください。
渾身の一撃を放った大畑の弾道は、男子プロばりのインパクト音を響かせたものの、100ヤード近く強烈に右へ曲がる大スライスに……。
大畑 やってもうたぁ! いつものだ。でも、次はだいたい真っすぐ行くんです。
小澤 なんというポジティブさ……。
2球目は宣言どおり、280ヤードを軽く超える会心のフェード!
大畑 でも、スライスだと思って左を向いたら真っすぐ行くし、真ん中を狙えばエグいスライスが出るの繰り返し。だいたいこのパターンのOBが出て、メンタルが撃沈するんよ。
小澤 どうやって対処していますか?
大畑 もう軽く打つしかないですね。それでもギュイーンって右に曲がっていってしまうけど。
小澤 逆ですよ~! もっと振らないと。私は常にマン振りですよ。
大畑 えっ! 曲げないために7~8割くらいで打つんじゃないんですか? コーチ、1発打って見せてよ!
美奈瀬のショットにしばし言葉を失う
「ムチャぶりじゃないですかぁ~」と言いつつ、美奈瀬が放ったドライバーショットは、強弾道の250ヤードの、どストレート。この一撃で、一気に現場の雰囲気を一変させる。
大畑 マジかよ。オレのクラブで、しかも素振りを2~3回しただけで、あの球……。し、師匠と呼ばせてもらいます!
小澤 そんな~♪ ちなみに私、全力で振ったから真っすぐ飛んだんですよ。
大畑 オレは振れば振るほど曲がるのに、何で?
小澤 全力は大歓迎ですけど、大畑さんはインパクトの手前で「ヒュン」って振っちゃってるんですよ。
大畑 ボールに当たる前にヘッドが速くなってればいいと思ってたけど。
小澤 違いますね~。インパクトしてヘッドが左腰の高さにくるまで「ヒューーーンッ」って長く風を鳴らす感じで振ってください。
大畑 「ヒュン」から「ヒューーーンッ」ね、了解!
さっそく実践する大畑氏は、いきなりものすごい風切り音をたてて、素振りを繰り返す。
小澤 はい、インパクト以降をもっと速く振って! もっと‼
大畑 意外とスパルタ系ですね(笑)。
小澤 私もやるときはやりますよ~。大畑さん、これでバッチリです。もうスライスは出ません。
大畑 これだけで?
なんとなく解せない表情の大畑氏だったが、ヘッドを速く振るポイントを変えた後、大畑氏が放ったショットの行方は……。次回に続く!
【オオハタ’s MEMO】
スポーツは準備が9割。
インパクトは「ヒュン」じゃなく
「ヒューーーン」
令和の武蔵になる!
オオハタダイスケ
大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ゴルフのベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語するスーパーメンタル&フィジカルでゴルフ修行へ
迎え撃つは
ウエハラコウジ
上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。同窓生・大畑の挑戦を待つ
週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より