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飛びの理由は「クラブに仕事をさせているから」。星野陸也が語るミケルソンの本当の凄さ

PHOTO/Blue Sky Photos、Tadashi Anezaki ILLUST/Yuki Kitazawa

賞金ランキングトップをひた走る星野陸也(25)が敬愛してやまないのが、倍以上年の離れたフィル・ミケルソン。50歳を超えてなお進化し続けるミケルソンのスウィングの凄さを星野陸也が語る!

解説/星野陸也

ほしのりくや。1996年生まれ、茨城県出身。高校生のころにミケルソンのスウィングを見て感銘を受け、研究し続ける。現在賞金ランク1位

体主体ではなくクラブ主体で飛ばす

僕はミケルソンが好きすぎるので、話し出したらいくら時間があっても足りません(笑)。なので今回は、スウィングについてお話ししますね。

50歳を過ぎても300ヤードを超えるなんて凄い! この年齢で飛ばせるのは“クラブに仕事をさせて”振っているから。シャフトのしなりを生かし、体への負担が少ないスウィングです。

僕が思う一番の特徴は、手首の柔らかさ。手首を柔らかく使うと、シャフトが素直にしなってくれるので、クラブ全体の運動量を上げることができます。一見、オーバースウィングに見えるのも手首を柔らかく使い、しなりがトップから切り返しで最大になった結果だと僕は思います。これにより、ヘッドの助走距離が長くなるので、ヘッド速度も上がりやすいんです。

また、ローテーションを積極的に使っているように見えますが、実際はシャフトがしなり戻ることで、自然とヘッドが返っているだけ。意図して返しているのではないと思います。これだけクラブに仕事をさせられれば、体に負担がなく、今まで大きなケガもなかったのも納得です。いや〜、超効率的で、ほんといいスウィングですよねぇ。

<ミケルソンはココが凄い 1>
50歳を過ぎても300Y超!

「そもそも50 歳で300 ヤードなんてありえないですよ。クラブを長くしているようですが、使いこなすのも難しいですからね。凄い!」

<ミケルソンはここが凄い 2>
ドライバーからウェッジまでリズムが同じ

「スウィングリズムは神です(笑)。どんな場面でも、ドライバーからウェッジまで同じように振れるんですよね」

<ミケルソンはここが凄い 3>
類まれなイマジネーション

「何をしてくるか想像つかないところも魅力です。技術はもちろんですが、発想力がありえないです!」

レックス倉本が証言
「ミケルソンは人間的な魅力もすごいんです」

エピソード 1
優勝スピーチでまず周りへの感謝を口にする

大学1年生のときの優勝スピーチ。開口一番、先輩への感謝を口にしたという。「19歳であれはすごい」(レックス)

エピソード 2
ギャラリーにホットドッグをおごったことがある

エピソード 3
訪問先には必ず手土産持参

契約先などへ訪問する際は、たとえ人数が多くても必ずハンバーガーを手土産に持っていくとか。常に感謝を忘れない人柄

月刊ゴルフダイジェスト2021年8月号より