Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 林の中は前・横・後ろの3ルートを探せ! 確率重視のマネジメントで大叩きを阻止【大ピンチ脱出図鑑】<後編>

林の中は前・横・後ろの3ルートを探せ! 確率重視のマネジメントで大叩きを阻止【大ピンチ脱出図鑑】<後編>

アマチュアのスコアが縮まらないのは、ダブルパーやトリプルボギーなど、大叩きするからだ。ラウンドレッスンを得意とする北野正之プロは、「大叩きはピンチから生まれます。いかにピンチから抜け出せるかでスコアは大きく変わります」と語る。ピンチからまたピンチへ。この連続ミスを回避できればベストスコア更新が見えてくる!

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/サザンヤードCC

解説/北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCCでレッスンを行う

>>前編はこちら

林もバンカーも
状況判断が大事

林の中はピンチ。アマチュアなら誰もがそう思うだろう。だが、その対処法が間違っていると北野プロは力説する。

「林に入れればピンチという自覚は持てますよね。それなのに多くのアマチュアは、ピン方向に打とうとします。少しでもグリーンに近づけたい、そう考えるからです。

それではピンチから脱出することは難しいです。私のレッスンでは、林の中に入ったら狙う方向を最低3つは探しなさいとアドバイスしています。

前、横、下など、さまざまなルートを探すことで冷静に状況を判断できます。

その中から一番成功率の高いショットを選べばいいんです。林の中では、枝が邪魔でクラブが振れない、木が邪魔でスタンスが取れない、そういう状況もあります。

そうなったとき、狙う方向は前や横だけじゃなく、後ろもあります。後ろに出すの?と思うかもしれませんが、最優先事項は林から出すことです。

後ろに打つことも想定できるか、そこが大叩きをするかしないかの分かれ道になるでしょう」

Point 1
5UT、6I、9Iと間を空けて用意

「クラブは最低3本は持っていきましょう。このときUT、ミドルアイアン、ショートアイアンというように番手間を空けて用意します。そうすれば、どんなショットにも対応できます」

Point 2
前、横、上、下後ろから狙える3方向を探る

「林の中ではミスを挽回しようと前を狙いがちです。前、横、上、下、後ろとさまざまな方向から最低3つのルートを探し、成功率の高さで選択します。この考える時間が大事なんです」

アマチュアはバンカーが苦手だが、目玉になることもある。


そうなると「どう打てばいいの?」となりがちだが……。

「バンカーの目玉は、それほど難しくありません。フェースをかぶせてトウを砂に刺すように振るだけです。この打ち方は女性や非力な人でもできますし、覚えておいて損はないです。バンカーは技術そのものを磨くことが大事ですが、クラブの使い方や狙い方で十分にピンチに対応できます。クラブの特性などの知識を持っておく。それがピンチのときに役立ちます」

Point 1
フェースをかぶせて構える

「このくらい極端にフェースをかぶせて構えます。バンカーはボールを直接打たないので左に飛ぶことはありません。砂が飛ぶ方向にボールが飛ぶので安心して振ってください」

Point 2
砂に刺して終わりでOK

「ヘッドのトウを砂に刺すように打ち込む。フォローは取らなくていいです。フェースをかぶせるとバウンスがなくなり、砂に潜らせやすくなりますから力がなくても簡単です」

ピンに固執しない
「狙う方向でピンチの難度が変えられる
「バンカーから打つ場合、ピンを狙わない選択ができるとピンチの難度が変わります。ピン方向はアゴが高いなら低い方向に出すほうが成功率は高くなりますから。ピンに固執しないことが大切です」

「フェアウェイバンカーも脱出できなければ連続ミスです。トップもダフリもダメとなると難しいのでアゴが近いときはダフっていい、遠いならトップしていい。そう意識すればミスになりにくいです」

パットのピンチは
攻め方で切り抜ける

次はグリーン上やグリーン周りの大ピンチを考えていこう。

「2段グリーンやロングパットは、いかに4パットしないかが重要になります。3パットはしょうがないと考えましょう。一番いいのは、2パットに近い3パットを目指すことです。どういうことかというと、2パット目でカップインできる可能性を残すんです。その目安はファーストパットを1ピン以内に寄せること。1ピンなら1パットで決められる可能性があります。

2段グリーンの違う面に乗った場合や超ロングパットは傾斜が複雑になりますし、タッチも難しくなります。そのときはラインを薄めに読むか、ピンに真っすぐ打てばいいです。タッチを合わせることだけに集中してください。それで外したとしても上りのやさしいラインが残せます。これなら傷口を広げることなく、次のパットが打てます」

さまざまなピンチから大叩きは生まれる。そのピンチを脱するには高度な技術が必要というわけでもないと北野プロ。

「戦略、つまりマネジメントでほとんどのピンチは対処できます。林の中でも木の間を狙ったのに木に当たることがありますよね。それは自分の照準がズレているからです。それなら木を狙ってみてください。案外、間を抜けるかもしれません。

ピンチの対処はある程度の経験が必要ですが、同伴者のプレーも参考になります。あの選択をするとこういうミスが出るのか? 自分の中に対処法になり得る知識やデータを蓄えることです。そうすれば、どんなピンチにも臆することなく、立ち向かえるはずです」

Point 1
ワンピン以内に寄せるイメージ

「ファーストパットは1ピン以内を意識します。1ピンなら2メートル以上ありますから、そこまでプレッシャーにはなりません。カップ周りに寄せるイメージが大事です」

Point 2
素振りでタッチを調整

「ショートしやすいタイプはボールの後方、少し距離を伸ばして素振り。逆にオーバーしやすいタイプはボールの前、少しカップに近づき、素振りをします。そうするとタッチが合います」

ラインが薄めなら上りが残せる
「超ロングパットは傾斜も複雑です。それならラインを薄く読むか、真っすぐ狙えばいいです。ラインを膨らませるとタッチを強めにする必要があり、難しくなります。ほぼ真っすぐのタッチ優先がおすすめ」

「バンカー越えのアプローチは素振りで対処します。確実にバンカーに入る素振りとグリーンの奥までいく素振り、その失敗、成功を繰り返しながらベストな距離感(フォローの位置)を探し出します」

「池やバンカーのフチにボールが止まった場合、スタンスが取れる方向に打ちます。それがピン方向とは違っていてもです。無理にピンを狙えば、トップやシャンクなど、連続ミスになり、さらにピンチになります」

体験しておけば
対処の幅が広がる

ピンチはマネジメントで対処できると北野プロは語るが、事前の準備も必要だと言う。

「よくクラブを短く持って打とう、そういうアドバイスがあると思いますが、実際にやったことがあるアマチュアは少ないはずです。技術は知っているだけでは不十分ですから、練習場で試しておいてほしいのです。短く持つとどうなるのか? ミートしやすくなる、フェースが返りやすい、ボールがつかまる、こういった経験があれば、対処法の成功率が大きく上がります。狭いスタンスや右かかとを上げて打つのもおすすめです」

Drill 1
超短く持って打つ

「グリップの先端に人さし指が触れるくらい超短く持って打ちます。この感覚に慣れておくことが大切です。短く持つ打ち方は、つま先上がりやアプローチで有効です」

Drill 2
右かかとを上げて打つ

「右かかとを浮かせたままボールを打つドリル。左足体重になるため、軸と最下点が安定します。クローズスタンスも同じ効果があります。トップやダフリを避けたいアプローチで有効です」

Drill 3
狭いスタンスで打つ

「スタンスは広いほど不安定になります。スタンスを狭くすれば、軸がブレにくく、最下点が安定し、ミート率が上がります。知っているだけではダメ。体験しておくことが大事です」

週刊ゴルフダイジェスト2026年9月8日号より