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片岡尚之のスウィング改造<前編>スウィングはいいのに「ずっと“気持ち悪さ”がありました」

初優勝から2勝目までの4年間、大幅なスウィング改造を行っていた片岡尚之。それにより手に入れたのが高品質なドローボールだ。この4年間の取り組みや苦悩を教えてもらった

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa  THANKS/山武グリーンCC

片岡尚之 かたおか・なおゆき。高校2年で日本ジュニア優勝。東北福祉大学4年時にプロ転向し、21年にツアー4戦目で初優勝。25年日本OPで2勝目を挙げる。ツアー屈指のパットの名手として知られている。北海道出身の28歳。ACN所属

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優勝争いをすると
元の感覚が蘇る

日本ジュニアで優勝してナショナルチームに入り、東北福祉大のゴルフ部からすぐにプロ入り。そして4戦目で優勝とエリートコースを快走してきた片岡尚之。しかしその後は優勝争いをしては勝てずに2位が7回、いつしか『シルバーコレクター』と呼ばれるようになってしまった。なぜ2勝目まで時間がかかってしまったのか?

「正直に言うと初優勝は勢いでたまたま勝てたようなものだったんです。そのときからショットはずっと良くなくて、プロの難しいセッティングで試合を重ねていくうちにミスの記憶が蓄積されてどんどん悪くなっていきました。22年の秋に自分ではどうにもできないと思って、谷(将貴)さんに教わることにしたんです」

片岡は完全に“感覚派”プレーヤーだったため、理論にのっとってイチからスウィングを作り直す作業は想像以上に苦しいものだったという。

「それまでの自分の感覚を消さないといけないけど、そんな簡単に消えるものではないし、もちろんすぐには結果は出ないので、辛かったです。23年は開幕から予選落ちが続いてこのままだとシードも取れないし、ゴルフをやめないといけないかもって本当に苦しくて。でも谷さんはすごくポジティブな人で僕が落ち込んでも励ましてくれて、『夏までには結果が出るから』って言ってくれていました。そうしたらセガサミーで2位になってシードが決まって、谷さんが言ったとおりだなって感じました」 

その後もスウィングはどんどん磨かれていったが、片岡の中では新しいスウィングと古い感覚との折り合いはなかなかつかなかったようだ。

「スウィングは良くなっているから感覚がいいときは優勝争いができるんです。でも緊張する場面になるとまた元の感覚が現れてミスになり勝てない。それの繰り返しで、僕の中ではずっと気持ち悪さが残っていたんです。でもスウィングはいいから直すところはないので、谷さんを困らせてしまっていました」 

昨年もそんな状況が続き、感覚の部分をなんとかしたい片岡と谷コーチが頼ったのが永久シード選手で今や名匠ともいえる片山晋呉だ。

「日本OPの前の週に晋呉さんに会ってアドバイスをいろいろともらって、そのおかげで優勝できました。マスターズに向けて感覚を良くするための工夫はいまでも続けています」

データ上は挫折知らずの優等生

スウィング改造をしながら、しかも気持ち悪さを抱えながらも、賞金ランクは常に25位以内。パットの名手という部分が支えになっていることに加え、感覚がいいときは好スコアが出て優勝争いに絡むためだ優勝争いをすると元の感覚が蘇る谷将貴コーチに師事して大幅改造に成功

2022年のスウィング

2025年のスウィング 谷将貴コーチに師事して大幅改造に成功

アドレスとトップはほぼ変わらないが、ダウンスウィングで右腰の位置が高くなった。インパクトからフォローでは右肩が下がらなくなり、フェースローテーションが少なくなっている。フィニッシュは右足に体重が残って体が反っていたが、真っすぐ立てるようになった

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月刊ゴルフダイジェスト2026年4月号より