Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 深いラフからのアプローチ<後編>沈んでいるように見えても「ボールの下には必ず隙間がある」ことを忘れずに

深いラフからのアプローチ<後編>沈んでいるように見えても「ボールの下には必ず隙間がある」ことを忘れずに

まだまだ芝が元気なこの季節。グリーン周りの深いラフにボールがつかまってしまったとき、どう対処すればいいのか。引き続き岡田絃希プロに話を聞いていこう。

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/備中高原北房カントリー倶楽部

解説/岡田絃希

おかだ・げんき。千葉県出身で現在は岡山県在住。作陽高校時代、父親の仕事の関係でマレーシアに移住。その後、渡米してPGA3部に挑戦するなど海外での経験豊富な成長株。現在、下部ツアーの『ACNツアー』に参戦中。日本植生所属

>>前編はこちら

深いラフから
距離を打ち分けるには?

岡田 “剛ラフ”だと脱出させることで精いっぱいになりがちですが、距離もコントロールすることができます。

GD グリーンに乗せるだけで十分だと思っていましたが、どのような方法で距離感を出すのですか。

岡田 ヘッド軌道の最下点は基本的に頭の真下になります。これを利用して、高さを出したいならアドレスで頭の位置をボールより右側、低く出したいならボールの左側にセットします。

GD 頭の位置をボールの右に置けばアッパー軌道で当たり、頭の位置を左にするとヘッドが上から入ってロフトが立った状態で当たるので低く飛び出すということでしょうか。

岡田 そうです。あとはコックの大きさで距離を打ち分けてください。できるだけ飛ばしたくなければコックをほぼ入れず振り上げ、距離があるときはコックを強く入れてヘッドを大きく動かしてください。ちなみにコックの動きは、親指側に手首を折り曲げてヘッドを上げる感覚で動かせばOKです。


ピンまで近ければコックを小さく

距離を出したくないときはコックの動きをあまり使わない。コックの大きさで距離をしっかり打ち分けよう

ピンまで遠ければコックを大きく

コックを強く入れることでヘッドが大きく動くので距離を出せる。このとき、体を回転することは意識しない

沈んでいても隙間は必ずある

GD 最後に振り方の注意点を教えてください。

岡田 ボールを上げて寄せたい状況で説明しますね。深いラフにボールがすっぽり沈んでいると上から打ち込みたくなりますが、上手く打てたとしても強く飛び出して距離のコントロールができず大オーバーしたりしますよね。でも、どんな深いラフにボールが沈んでいたとしても必ずボールの下には隙間があるので、まずそこにヘッドを入れるようにします。

GD あとは振り切るだけですか。

岡田 ここからがポイントです。ボールを下から持ち上げるようにアッパー軌道で振り抜きます。そのためにはフォローまでフェースを開いたまま使う必要があります。ヘッドをボールの下へ入れて、フェースでボールを持ち上げるように振り抜くイメージを持つことで深いラフからでも運ぶようにフワッと高く上げられるんです。

上からカットに打ち込みたくなるライだが、ヘッドの軌道はストレートでOK。ボールの前後の芝ごと取るつもりでヘッドを低い位置から高い位置へ振り抜く

脱力して
ヘッドの重さを利用する

岡田 ボールがラフに沈んでいるときこそ意識してほしいのが手や腕の脱力です。ウェッジはヘッドが特に重いので、その重さを利用しながらラフを攻略していきましょう。

GD でも、しっかり握らないとゆるみのミスが出そうです。

岡田 強く握ることは悪くはありませんが、腕や肩に力が入るのは避けたいんです。

GD 腕や肩に力が入るとどんな弊害が起こるのでしょうか。

岡田 ヘッドを鋭く走らせることができないんです。だからラフの抵抗に負けてしまいます。

GD どうやって脱力すればいいですか。

岡田 ボクの場合、左手の中指と薬指でクラブを支える感じの力感で握っています。こうするとヘッドの重さを感じられ力まず握れることができます。ただ、力を抜きすぎてヘッドが下に垂れないように、ある程度の力感を保つことには注意してくださいね。

体の正面からヘッドが外れないようにする

グリップの力感が強すぎても弱すぎてもダメ。体の正面にヘッドがある感覚でスウィングして、ヘッドが手元よりも下に垂れないような力感でクラブを振るのがポイント

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月30日号より