「長いパー3」攻略法<後編>右にだけは行かせたくない! そんなときは“インテンショナル引っかけ”でいこう

前回は、180ヤード以上の長いパー3の攻略法について教わった。ここからは、攻略通りに狙っていくうえで重要な、打ち方のポイントについて教わっていこう。
PHOTO/Hiroyuki Tanaka THANKS/東名CC

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- 180ヤード以上の長いパー3はゴルファーにとって鬼門のホール。パー5のように、ティーショットのミスを2打目以降でカバーしにくいからだ。そこでオススメなのが、ボギーを確保しながらパーを取りにいく“3.5打”作戦だという。うっかりダボを打たない秘策を里祐太郎プロに教わろう。 PHOTO/Hiroyuki Tanaka THANKS/東名CC 解説/里 祐太郎 さと・ゆうたろう。1……
長いパー3で起きやすい2つのミス
――長いパー3のティーショットを打つとき、気を付けるポイントはありますか?
里 UTや5Wで打つゴルファーが多いと思いますが、このとき、ついついやってしまうミスがあるんですよ。
――それは、どんなミス?
里 ただでさえプレッシャーがかかる難しいショットですから、つい球の行方が気になって、顔が早く上がってしまうヘッドアップ。もうひとつは、飛ばそうとして伸び上がって、手元が浮いてインパクトするミスです。
――やってしまいそうですね、そのミスショット!
里 この2つのミスを防ぐには、腕とシャフトの角度をキープするように振るといいですよ。タテのコックをキープできると、当たりがよくなって、出球の方向も安定するので、ヘッドアップも手元の浮きも解消できます。
Point 1
腕とシャフトの角度を保ったまま打つ

「長いパー3のティーショットで気を付けるポイントは、インパクトで手元を浮かせないということ。アドレスでできた左腕とシャフトの角度(タテのコック)をキープして、手元を浮かせないように振ることで、いつものようにショットすることができます」
Point 2
胸を下に向けたままインパクトする

「体が起き上がると手元も浮いてしまうので、下向きの力を使ってスウィングすることが大切です。具体的には、胸を下に向けたままインパクトする感覚です。これで、腰が伸び上がらなくなるため、手元も浮き上がりにくくなります」
右が怖いときは
インテンショナル引っかけ!
里 たとえば長いパー3で、グリーンの右にOBがあって、風も左から吹いていたら、スライサーはすごく怖いですよね。
――もう、打ちたくない!
里 そういうホールでは、行ってはいけない右サイドを消して、安全な左サイドに確実に逃げることが大切です。
――ダボを打たないためには絶対に必要ですね。
里 そんなときは、インテンショナルフックを打っていきます。
――難しそうですが、スライサーにも打てるんでしょうか?
里 大丈夫です。僕はラウンドレッスンで、スライサーにもインテンショナルフックを打ってもらっています。早い話が、引っかけフックです。大切なのは、アドレスのセットアップで、体の向きとフェースの向きをちゃんと合わせて、スタンスの向きどおりに振っていけば、意外と簡単に打つことができるんです。
右サイドが危険なときは…
インテンショナルフック

右を向いてフェースは目標
「体全体を右に向けてクローズスタンスにします。フェースの向きをターゲット方向に合わせて、体に対して閉じて構えます。あとはスタンスに沿って振るだけで、狙い通りの引っかけフックが出ます」
「インテンショナルフック」のお手本スウィング
左サイドが危険なときは…
インテンショナルスライス

左を向いてフェースは目標
「引っかけフックとは逆に、フェースの向きをターゲット方向に向けたまま、体全体を左に向けてオープンスタンスにします。フォローでフェースを返さないように、スタンスに沿ってスウィングすれば自然とスライスがかかります」
「インテンショナルスライス」のお手本スウィング
ドライバーでアプローチ!?
里 最後にとっておきの裏ワザを紹介します。
――どんなショットですか?
里 東名CCのメンバーさんがここ桃園コースの1番パー3で使うんですが、ドライバーでアプローチするように打つんですよ。
――何ですか、それ!
里 チョコ~ンと、ドライバーで花道まで運んで、そこから寄せワンのパーを拾うんです。一見すると地味なんですが、難しいホールであっさりパーを取っていくんですよ。風が強い日は、僕も使いたくなりますね。
Point
スタンスを狭くして6~7割で打つ

「スタンスを少し狭くして、ドライバーでアプローチする感覚で打ちます。6~7割のスピードで振ると、自動的にフェードがかかったライナーになるので、少し練習すれば誰でもやさしく打つことができます」
里プロのお手本スウィング
週刊ゴルフダイジェスト2025年6月10日号より