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【教えて! なっち先生】Vol.1 アイアンの「ダウンブロー」ってどのぐらい打ち込むのが正解?

思うようなスコアが出ない、正しいスウィングの仕方が分からない、とお悩みのゴルファーに、“なっち先生”ことプロゴルファーの大谷奈千代がイラストを使って分かりやすくアドバイス! 今回のテーマは「ダウンブロー」について。


Lesson 1
アイアンのダウンブローは
どのくらい打ち込むのが正解!?


そもそも入射角とは、クラブヘッドがボールに対してどの程度の角度をつけてインパクトしたのかを示すデータです。トラックマンなどの弾道測定器では入射角の値がプラスかマイナスかで示され、マイナスならばスウィングで描かれるクラブヘッドの円弧の最下点より手前、クラブが下降している段階でインパクトするダウンブロー軌道。逆にプラスならば、最下点を通り過ぎてヘッドが上昇する際にインパクトするアッパーブロー軌道ということになります。入射角、そしてヘッド軌道はボールの打ち出し角やバックスピンの量を左右する要因の一つとなります。

ハンドファーストとはクラブよりも手元が先行している形ですから、入射角は自然とマイナス、つまりダウンブローになるのです。このダウンブローは、アイアンでターフ(芝)を取るために必要なクラブの入射角なのですが、強いボールを打ちたい気持ちが先行するあまりハンドファーストインパクトのイメージが強くなりすぎて、クラブを上から叩きつけてボールを潰すくらい打ち込んでしまい、結果的にミスショットしている方は多くいらっしゃいます。

では、適切な入射角はどのくらいなのでしょう。たとえば女子プロの場合、7番アイアンの入射角の平均値はおよそマイナス2度のダウンブローで、男子プロの7番アイアンの入射角の平均値はおよそマイナス4度のダウンブローとなっています。ダウンブローの角度が大きくなる9番アイアンやピッチングウェッジでもおよそマイナス5度のダウンブローなのです。

5度くらいまでの
緩やかダウンブローが正解

このことからもわかるように、ダウンブローの角度は7番アイアンで多くてもマイナス5度くらいまでが最適なのです。しかし、みなさんのイメージのダウンブローはマイナス10度以上になっていることがあります。こういった打ち込み過ぎを防ぐために、入射角は「飛行機が着陸する際の角度」といったイメージを持つといいでしょう。着陸する際に入射角が強すぎると飛行機は墜落してしまいますね。スウィングも同じで、ダウンブローの入射角が強すぎてしまうと、クラブが刺さってしまいインパクトのあとにクラブを振り抜くことができなくなってフォローサイドが詰まってしまいます。このように打ち込みたい気持ちから起こる、過度なダウンブローはミスショットに繋がってしまう考え方なのです。

プロの7番アイアンの平均入射角は男子でマイナス4度、女子はマイナス2度。ダウンブローといっても、過度に入射角が大きくなっているわけではない

適度なダウンブローで打つためには、アドレスからインパクトにかけて体のラインが真っすぐキープされていることが大切です。限りなくレベルにスウィングすることができればクラブの重さの慣性が下に向かっていくのでインパクトでボールに当たった瞬間、クラブは地面に潜っていきターフを取ることができるようになります。反対に、体の重心が右に傾いてしまってアッパー軌道の入射角になってしまうと、地面に対してクラブの重さを上手に使えなくってしまい、エネルギーロスやミスショットにつながってしまいます。体の重心を真っすぐキープすることで、ヘッドは自然と地面に潜ってくれますから、ハンドファーストやダウンブローは過度に意識しすぎないようにしましょう!

体の軸をキープし重心をレベルに保ってスウィングできれば自然とダウンブローでアイアンが打てるという

大谷奈千代

1984年生まれ、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う

週刊ゴルフダイジェスト2025年3月25日号より