【通勤GD】芹澤信雄「1番ホールの木の下で…」Vol.21 “飛ばさない”技術持っていますか? ゴルフダイジェストWEB
藤田寛之や宮本勝昌、40歳を過ぎた彼らの活躍は、トレーニングやコンディション作りなど、体のケアに時間と労力を割いてきたからこそ生まれた結果だという。一方で、不調の時には不調なりのゴルフをすることも大事だと芹澤プロはいう。
【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。
同じ動きができないのは体に問題があるから
僕はご存知のように飛ばない選手なので、せめてパワーアップして少しでも飛距離を伸ばしたいと、若いころから積極的にトレーニングに取り組んできました。
しかし、26歳のときに、オーバーワークがたたって背中の張りがひどくなり、まともにゴルフができないくらいの状態になったことがありました。その時に受けたハリ治療が劇的に効いて、体のケアの重要性に気づいたんです。
鉄板が入ったような背中がふわーっと軽くなっていく魔法のような感覚を、いまでもよく覚えています。以来、針には定期的に通っていますし、毎週月曜日は体のケアに充てるようにしています。
30歳ごろからは地元のトレーニングジムと契約し、トレーナーをつけてトレーニングをするようにもなりました。その経験から、同じチームの藤田君にもコンディション作りやトレーニングの大切さを説いてきましたが、彼がそれを聞き入れてまじめに取り組んできたからこそ40歳を過ぎてからの活躍があるというのは、言い過ぎではないと思います。
プロゴルファーのように何十万球もボールを打ってきた専門家が調子が悪い=同じ動きができないというのは、ほとんどの場合が体の問題なんです。体さえ思うように動く状態をキープできれば、そこそこの結果は出ます。だからこそ、体のケアは大事なんです。
好不調の波との付き合い方
とはいえ、結果の差こそあれ、好不調の波がゼロというわけにはいきません。大事なのは、不調時には不調時なりのゴルフをするということなんです。体が動かないのに無理に深いトップを作っても、バランスを崩すだけ。
そんなときは、1番手上げて「飛ばない」スウィングをすればいいんです。スウィングをコンパクトにすれば、少し飛距離は落ちるかもしれませんが、ミート率が上がって大きなミスにはなりません。
アマチュアは、「150ヤードは7番アイアン」みたいに自分の中で決めつけてしまう人が多いですよね。体の調子がいまいちでも、アゲンストでも、真冬でも、その決め事に縛られて、自ら崩れてしまう。
調子が悪いときは、1番手上の番手を持つ勇気も必要です。そして、そんなときのために「飛ばさないスウィング」を普段から練習しておくことも大事ですよ。
通勤GD・今日のポイント】1番手上げる勇気も大切“飛距離を抑える打ち方を覚える”
【レベルに振るポイント①】8割のトップには8割のフィニッシュ
体が思うように動かないときは、コンパクトなトップで、飛距離を犠牲にしてもミート率を上げたい。トップを小さくしたら、フィニッシュもコンパクトに収めることが大事だ。
【レベルに振るポイント②】スウィングテンポは「イチ、ニのサーン」
スウィングをコンパクトにすると、普段よりもリズムが早くなって打ちミスが出やすい。スウィングを小さくしても、普段と同じリズムが大事。切り返しでワンテンポ間を作り、「イチ、ニィ、の、サーン」のリズムで振ろう。
【レベルに振るポイント③】軸をキープしてレベルに回転する
コンパクトに振ろうとすると打ち急いで上体が突っ込みやすいので、普段以上に軸を意識する。フィニッシュで肩が水平に収まるようにレベルに回転しよう。
月刊GDより