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【ゴルフの急所】Vol.49 飛距離を伸ばすならヘッドスピードよりミート率アップが絶対です

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部

>>前回のお話はこちら


50歳を過ぎてから飛距離が落ちてしまいました。そこで自分なりに研究をしているのですが、飛距離アップには大きく分けて「ヘッドスピードを上げる方法」と、「ミート率を上げる方法」があるようです。この2つ、寺西プロだったら、どちらを勧めますか?(近藤龍之介さん・55歳・HC19)


飛距離アップに必要なのは
ヘッドスピード? ミート率?

これはもう絶対にミート率を上げる方法をお勧めします。単純にヘッドスピードを上げれば、同時に球の曲がる危険性も高くなります。しかし、それでは一発の飛距離が伸びたとしても、スコアを崩すことになりかねません。さらに、球が曲がれば気持ちよく振れなくなります。その結果、スピードが落ちて元の飛距離に戻る=努力がムダになる危険もあるわけです。

逆に、ミート率が上がれば自信を持って振れるようになります。そうすれば、自然にスピードもアップし、より飛距離が出る可能性も広がるのです。練習方法としては、9番アイアンやクリークを使い、高くティーアップした球を打つとよいでしょう。これが自然に打てるようになれば、ミート率は確実にアップすると思います。

ただ、飛距離を伸ばしたいのであれば、技術の向上だけでなく、その土台となる下半身を強化する必要があるでしょう。実は、ボクも昨年、人生で初めて飛ばしというテーマに悩みました。ボクは、ゴルフを始めた頃から人一倍飛んでいたので、飛距離に悩むことがありませんでした。しかし、コロナ禍でトレーニングが思うようにできなくなり、筋肉量が減ったことをきっかけに、飛距離が明らかに落ちてしまったのです。


では、そのときに何をしたのかというと、下半身を作り直すという作業でした。ミート率を上げるにも、ヘッドスピードを上げるにも、安定した土台が必要になります。大事なのは微動だにしない下半身を作ること。そのためのトレーニングを日課にしたのです。

その中で、みなさんにおすすめしたいのは、スクワットとサイドステップです。スクワットは、前傾角度を変えずに、ゆっくり行うのがポイント。サイドステップは、反復横跳びをするように、足の内側で力を受け止め、素早く、リズムよく、連続で跳ぶのがポイントです。

これらのトレーニングを取り入れてもらえば、確実に下半身は安定してきます。それが飛距離アップの手助けになることは間違いないでしょう。飛距離を伸ばすために、スウィングの研究をすることは大事だと思います。しかし、その努力を可能にするのは、強い下半身なのです。そこを忘れなければ、50代からでも飛距離は十分に伸ばせると思いますよ。

体の軸がブレるとミート率が下がる

「飛ばそうという意識が強くなると、体を左右に揺さぶるような動きになり、軸がブレやすくなります。しかし、軸のブレたスウィングは、結局飛距離も出ないし、方向性も悪くなるので注意しなくてはいけません。これを防ぐにもサイドステップのトレーニングは効果的。ステップをするとき、両足の内側で力を受け止めることで、軸をブラさず、左右の体重移動を行う感覚を磨くことができるでしょう」

下半身のトレーニング①
ゆっくりスクワット

スクワットは、前傾角度を変えず、できるだけゆっくりと行う。寺西プロの場合、しゃがんだときに、前傾角度が深くなってつま先体重になりやすいので気を付けているという。その人の体力にもよるが、1日30回1~3セットを目安に始めてみよう。

下半身のトレーニング②
素早くサイドステップ

サイドステップをするときは、両足の内側で力を受け止め、素早く、リズムよく跳ぶことが大切。ステップしたときに足の外側に乗ってしまうと体が左右に流れ、素早く跳べなくなるので注意。50代であれば、1日30回1~3セットが目安

Drill
ミート率を上げる「ティーアップ練」

ドライバーと同じくらいの高さにティーアップした球を、9番アイアンや5番ウッドで打つ。フェースの真ん中で打つのではなく、フェースの下部(スコアラインの下から2~3本目)で打つイメージで練習してみよう

月刊ゴルフダイジェスト2025年4月号より