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【競技ゴルファー・タニシゲ】Vol.23 体に無理のないスウィングがわかった!

前回、フジクラゴルフクラブ相談室でリシャフトし、ドライバーのシャフトを見栄込みの(?)6Xから、6Sにチェンジした谷繁。アイアン、ウェッジのシャフトもすべて替え、それらのクラブを携えゴルフ合宿を敢行。その後、宮崎でゴルフダイジェストスクランブルゴルフの決勝に臨むというプロゴルファーも真っ青のスケジュールでオフ期間を過ごしている。

PHOTO/Tadashi Anezaki

谷繁元信 1970年広島県生まれ。88年ドラフト1位で横浜大洋ホエールズ入団。02年中日ドラゴンズに移籍。14、15年はプレーイングマネジャー、16年は専任監督。通算3021試合出場は日本記録、捕手として2963試合出場は世界記録。ベストスコア67
青木翔 1983年福岡県生まれ。2017年渋野日向子を全英女子オープン優勝に導いたコーチ。2020年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。ジュニアから一般アマチュアまで幅広く指導。「六甲国際ゴルフアカデミー」校長

>>前回のお話はこちら

  • 元プロ野球選手の谷繁元信が青木翔コーチのサポートのもと、日本ミッドアマ出場を目指して奮闘してきたこの企画。谷繁は昨秋、関東ミッドアマ予選で上がり2ホール連続ボギーを叩き「78」。マッチングスコア方式により予選通過ならずという結果だった。 PHOTO/Tadashi Anezaki 谷繁元信 1970年広島県生まれ。88年ドラフト1位で横浜大洋ホエールズ入団。02年中日ドラゴン……

体が「イテッ」とならない
スウィングがあった

谷繁 先月、某南国にゴルフ合宿に行っていたんですよ。

青木 プロみたいですね。

谷繁 そしたら、リシャフトしたクラブがすごく合って。いい感じに振れていたの。暖かくて体がよく回るから、よりしなりが感じられて「これはいいぞ」と。それが日本に戻ってきたら「んん?」って感じになっちゃって。「俺のしなりはどこ行った?」ですよ。少しずつ慣れてきましたが。

青木 前回、話に出ましたけれど、新垣比菜プロが「体がこういう状態になりそうだからシャフトでこうしておきたい」というリクエストを出すくらいですもんね。

谷繁 シャフトでゴルフは変わるんだもんね。

青木 僕も夏場はドライバーのシャフトは2Xですけど、今は寒いのでひとつ落としています。

谷繁 ただ、われわれアマチュアは、そう頻繁にリシャフトできないよね。

青木 だから、シャフトのフレックスは“ゆるめ”にしておくのがいいかもしれないですね。するとシーズン通して使いやすい。


谷繁 人にもよるかもしれないけど、フレックスは自分が「少し軟らかめかな?」くらいで良さそう。

青木 しなりを感じるのはスウィングで大事なことですからね。

谷繁 自分が道具に合わせていくんじゃなくて、自分のスウィングに道具が合わせてくれる。合わせてくれる道具を選ぶことの大切さを知りました。

青木 アマチュアゴルファーは自分を合わせようとする人が多く、それで調子を崩すケースがけっこうあるんです。

谷繁 実は、俺もいい感じに混乱中(笑)。

青木 それでまずアイアンから打ってもらったんですが……。

谷繁 言葉は悪いんだけど“死に球”しか出なくて。何かこう……球が生きていなかった。トラックマンのデータも見るの恥ずかしくてさ。

青木 しなりを作る動きを自らしていましたね。トップから切り返す際に、右ひじを曲げて引き寄せるような動きが入っていました。

谷繁 それをなくしたら、まず、音が変わった。

青木 データにもしっかり出ていました。クラブパス(軌道)が「レフト」、つまりかぶって入っていたのが、右ひじの動きを消したことでスクエアに近づいた。自分でしならせようとして、右ひじを体に近づけるのでクラブが外から入っていたんです。

谷繁 あと、クラブを上げるとき、体の重心を上げる、浮くような動きも出ていたよね。

青木 そう。重心を上げて、トップからまた下げる、するとインパクト付近で手元でクラブを操作しないといけなくなる。フェース面のバグが起きやすくなるんです。

谷繁 それです!

青木 で、谷繁さんの帽子のつばを僕が押さえて打ってもらいました。あとは、クラブを上げるときに左肩を下げるイメージも。

谷繁 頭がボールにすごく近づいている感じがして、見栄えが悪いんじゃないか心配になりました(笑)。

青木 全然ですよ。あれくらいでちょうどいいんです。

谷繁 クラブを上げるときに左肩を下げることを意識して球を打ったら、いい感じ。

青木 動画を見たら、頭が全然動いていないことがわかりましたよね。

谷繁 自分で「ああ、こんなふうになっているかな」という動きのイメージと、人の目で見た動きって全然違うんだね。映像でハッとした。

クラブを上げるときに左肩を下げる。「こんなに下げてヘンじゃない?」(谷繁)「ちょうどいいです」(青木)

青木 これがカメラの使い方です。ただ、気を付けてほしいのは動画を見て、あれこれ気にしてしまうこと。今回のポイントは頭を動かさないことだったのに「トップの位置がこう」とか「もっとタメを」とか欲張ってしまうと、バランスが崩れてしまいます。動画を見るときは、ポイントを絞る。これ大事。

谷繁 今回は、左肩を下げることに集中。すると、どんどんいい球が出るようになって。

青木 データも裏付けしていて、クラブパスもほとんどスクエアになっていました。

谷繁 でね、思ったの。体がラクだって。それまで、何だかんだ手でクラブを操作しようとしていたんです。すると、振った後、体がちょっと「イテッ」みたいなね。それはあった。

青木 そう、無理がないでしょう。

谷繁 打った後、フォローからフィニッシュも自然と決まる。

青木 そうでしょう、そうでしょう。

谷繁 それで、どうかな? 見た目は?

青木 気にするのそこー?(笑) でも、実際、きれいでしたよ。

谷繁 良かったです(笑)。

週刊ゴルフダイジェスト2025年2月25日・3月4日合併号より

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