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世界トップのスウィングに学ぶ<前編>S・シェフラー、R・マキロイ、C・モリカワ

世界のトッププロ7人のスウィングを佐藤信人プロが徹底分析。まずは、スコッティ・シェフラー、ローリー・マキロイ、コリン・モリカワから。

PHOTO/Hiroaki Arihara、Blue Sky Photos THANKS/光ヶ丘ユー・プラザゴルフレンジ

解説/佐藤信人

1970年生まれ。千葉県出身。ネバダ州立大学でゴルフを学び、日本でプロになる。日本ツアー9勝。日本ツアーだけでなく、海外ツアーの解説者としても活躍中

世界一のカギは
不動のビジネスゾーン

――まずは、世界ランク1位のスコッティ・シェフラーです。フィニッシュで右足が左足にすり寄って、ダンシングシェフラーと呼ばれていました。

佐藤 そうですね。でも、あのウェイトシフトは、実は重要ではないんですよ。

――そうなんですか!

佐藤 結果的にそうなっているだけで、本人はまったく気にしていないと思います。シェフラーのスウィングの最重要ポイントは、左の壁です。インパクトのとき、左足の裏が見えるくらい左足の外側でがっちり壁を作っていますよね。ものすごいパワーで地面に圧をかけています。連続写真の6コマ目から8コマ目にかけて、左の壁がまったく動いていません。これが、シェフラーのスウィングのキモ。いわゆるビジネスゾーンです。

――ツアープロが、いくらお金を稼げるかが決まると言われるゾーンですね。

佐藤 シェフラーのように、左足がめくれるくらい左にしっかり乗ってスウィングすると、下半身リードの感覚がつかめますよ。

世界ランク1位。2022年、フェニックスオープンの初優勝から、これまで13勝を挙げた。2024年は圧倒的な強さを発揮し、マスターズなど7勝、パリ五輪でも金メダルを獲得した

インパクトで左足を強く踏み込む

「シェフラーは大きなフットワークが注目されますが、本当にスゴいのは左の壁です。インパクトで左足がめくれるほど外側に乗っています。これだけ強く地面を踏んでも、6コマ目から8コマ目まで、左足から頭にかけての湾曲した左の壁がまったく動きません。これが、シェフラーの飛距離と方向性を両立さるメカニズムです」(佐藤)

Point
左の壁を意識してボールを打つ

「インパクトからフォローにかけて、左足がめくれるくらい地面にグッと圧をかけていきます。このとき、頭が左に突っ込まないことが大切。これくらい強く踏むことを目指すと、下半身から動くコツをつかみやすくなります」

飛距離アップに役立つ
2人のスウィング

もっと飛ばしたいあなたには、ローリー・マキロイとコリン・モリカワが参考になる。マキロイは両足で地面反力を受けて、ヘッドスピードを上げている。モリカワは飛ばしの絶対条件、ハンドファーストインパクトの名手。2人のスウィングを見ていこう。

世界ランク3位。北アイルランド出身。2007年にプロ転向し、09年に欧州ツアー、10年にPGAツアーで初優勝。これまでにメジャー4勝、PGAツアー26勝、欧州ツアー18勝を挙げている

右足で地面を突いて地面反力を受ける

「マキロイは、インパクトの右足の使い方に特徴があります。ジャンプするときのように、左右のかかとで強く地面を突くことで地面反力を受けています。これが、マキロイの爆発的な飛距離の原動力ですが、ベタ足気味に見えるこの右足の使い方は、インパクトで腰が前に出てしまって飛ばせないゴルファーには効果的です」

Point
右かかとで地面を蹴ってボールを打つ

「切り返しから右かかとで地面を蹴って、地面反力を受けながらボールを打ちます。インパクトまで右かかとが浮かなければ、右腰が前に出る“飛ばない動き”を封じることができます」

世界ランク4位。米カリフォルニア州出身の日系アメリカ人。2023年のZOZOチャンピオンシップなどツアー6勝。メジャーでは、2020年の全米プロと2021年の全英オープンを制している

強烈なハンドファーストでインパクトゾーンが長い

「ウィークグリップで握り、トップで左手を掌屈させることによって、強烈なハンドファーストでボールをとらえています。他のプレーヤーと比較しても、モリカワのビハインド・ザ・ボール&ハンドファーストは強烈で、それだけ低く長いインパクトゾーンを作り出すことによって、フェードボールの精度を上げています」

Point
スプリットハンドでボールを打つ

「指1本分くらいスプリットハンドで握ってボールを打ちます。アイスホッケーのように、ハンドファーストに打たなければ真っすぐ飛ばないので、自然にハンドファーストにインパクトする感覚がわかります」

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週刊ゴルフダイジェスト2025年1月7・14日合併号より