【練習場の“浦”メニュー】Vol.2「フェースを返しながらスライスを打てますか?」
身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、上達に役立つホンモノの練習を伝授する連載「練習場の“浦”メニュー」。上手くなるためには「球を曲げる練習」は不可欠だと言われている。しかし、セオリー通りに漫然とフックやスライスを打っているだけでは、意味がないと浦さんは言う。
TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/√dゴルフアカデミー
浦大輔
うらだいすけ。身長171cmで420Y飛ばす飛ばし屋にして超理論派。東京・池上で√d golf academyを主宰。「浦大輔オンラインアカデミーサイト」では、スペシャルドリルやマル秘レッスンを有料会員限定で配信中
今月の浦メニュー
フェースを返しながらスライスを打つ
こんな人にオススメ!
●球がつかまらない人
●弾道が安定しない人
球をつかまえられずスライスばかり出る人や、曲がりが左右に安定しない人には非常に有効な練習。もちろん引っかけばかりの人にも有効だ。さらに、ドローとフェードを打ち分けたり、反対に「真っすぐ」の球を打ちたいという上級者にとってもやっておくべき練習といえる
フェースを開閉する
タイミングを管理する
みなさん「球を曲げる練習」していますか? ただ真っすぐな球を打つだけじゃなく、遊び感覚でいろんな弾道の球を打つのは上達のために必須のプロセス。月刊GD読者なら、もちろんやっていますよね。まぁそもそも「真っすぐ」の球なんてプロだって簡単に打てるものじゃないので、「真っすぐの球を打つ」練習自体がナンセンスなんですが。
じゃあみなさんはどうやって球を曲げていますか? フックはどうやって、スライスはどうやって打ちますか? フックはフェースを返しながらインサイドアウト、スライスはフェースを返さずにアウトサイドイン。そんなの当たり前ですよね。でも正直に言いましょう。そんなふうに球を曲げる練習をしていたって、何の役にも立ちません。
それをやっていれば、一応球をフックさせたりスライスさせたりはできるようになるでしょう。でもそれだけでは「どのくらい曲げるか」の管理もできないし、距離のコントロールも身に付かないので、コースで使える「曲げる球」は習得できないんです。
そこでみなさんにやってほしいのは、フェースを思い切り返しながらスライスを打つ練習。もしくはフェースを開きながらフックを打つ練習です。
そんなことできるはずがない? それはちょっと勉強不足ですね(笑)。球を右に曲げるには、クラブパスに対してフェースが開いてインパクトしてさえいればいい。つまり、フェースを返しながらでも、インパクトの瞬間に軌道に対してフェースオープンなら球は右に曲がるんです。フックも同様で、軌道に対してフェースがクローズなら球は左に曲がる。つまり大事なのは、フェースを返すか返さないかではなく、インパクトの瞬間にどうなっているか。こんなの常識ですよ。
フェースを返しながら球をスライスさせるということは、フェースを閉じる過程のスクエアになる前に球をとらえる必要があります。フェースを開きながらフックを打つ場合はその逆で、バックスウィングはシャットに上げて、ダウンスウィングで開きながら振るわけですが、インパクトの瞬間はまだシャットな状態にしておかなければならない。つまり、フェース開閉のタイミングと量を自在に管理する技術が必要なんです。これができて初めて自在に球を曲げられるし、反対に「曲げない」こともできるようになるというわけです。
返る前に当たればスライスします
インパクトの瞬間、軌道に対してフェースオープンなら球は右に曲がる。フェースを返すかどうかは、球の曲がりと直接関係がないのだ
さらに掘り下げると、フェースを開いて閉じるのは前腕や手首など手先の動きが、反対に閉じて開くには体の運動量が必要になります。ゴルフスウィングはこの両者の組み合わせで行われていますが、この練習をすればそのコントロールもできるようになる。球がつかまらないなら手先の動きを増やせばいいし、つかまりすぎるなら体の動きを増やせばいい。
球を曲げるにも真っすぐを目指すにも絶対に役立つ練習なので、ぜひやってみてください。
Drill 1
オープン>>クローズで両方の球を打つ
Drill 2
シャット>>オープンで両方の球を打つ
両方やって初めて「真っすぐ」が打てるようになる
開>>閉でのスライスとフック、閉>>開でのスライスとフック、全部を打てるようになって初めて「真っすぐ」にたどり着けるし、自在に球を曲げられる。本当の意味で「球をつかまえる」ためにも必要な練習だ
月刊ゴルフダイジェスト2025年2月号より