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【アプローチ】なぜかミスする悩ましい80ヤード。AWで肩から肩のしっかり打ちが正解!

ピンまで残り80ヤード。距離は短いけれどSWのフルスウィングでは届かないし、AWで抑えて打つとゆるんでしまう。そこにパチンッ! と板割り中の杉山プロが登場。「スピードはゆるめず、フルショットと同じに“ちゃんと”打つんです」。フルショットではないけどしっかり打つとはどういうことか? 80ヤードをミスなく乗せるコツを教えてもらった!

【指導】杉山知靖プロ
すぎやまともやす。1993年生まれ神奈川県出身。AbemaTVツアーのランキング上位の資格でツアー出場中。ショートゲームを得意とする。レイクウッドコーポレーション所属

「スピード」を調整しようとするからミスをする

【スピードが遅くなると①】
グリップに力が入ったり、力が抜け過ぎたりするのでフェースの開閉が大きくなる。

【スピードが遅くなると②】
ボールと体との距離が変わり、伸び上がったり突っ込んだりしやすい

肩から肩でしっかり振る

── 80ヤードはアマチュアでもグリーンに乗せたい距離です。でも、なぜかうまく打てません。

杉山 80ヤードはフルショットの距離よりも難しいんですよ。

── えっ! 距離が短いから簡単じゃないんですか。

杉山 フルスウィングできない中途半端な距離なので、スウィング中に“どこか”を抑えて打たなければなりません。それがこの距離が難しく、乗りそうで乗らない理由のひとつです。

たとえば走るときに、距離が短くなったとしても全力疾走ならスピードは変わらない。スウィングも同じで、スピードを落として距離を調節することが一番のミスにつながる。振り幅は小さくするが、フルショットのように普通に振ることが大事

── 確かに。スウィングスピードを変えて距離を調整することが多いです。

杉山 スウィング中にスピードを落として調節すると、インパクトがゆるみやすくなるので注意が必要です。

── では、どうしたらいいのですか?

杉山 振り幅で距離を調節してください。「肩から肩でしっかり振る」というイメージでトップからフィニッシュまでの位置を明確にしましょう。すると、迷いがなくなるのでスムーズにスウィングできるんですよ。

抑えて打つとき専用アドレス

「インパクトのイメージで構えましょう」(杉山)

あらかじめインパクトの形を作ることで、ボールにコンタクトするイメージが湧きやすくなる。ハンドファーストに構えるとロフトが立ち、ボールがつかまりやすくなる。そのためスタンスは「時計の1時程度」フェースを開き、そのぶん体を回してオープンに構える。

SWでロフトを立てフルショットすると、球がつかまりすぎて左に飛んでしまうので、AWで抑えたほうがミスが少ない。

距離を抑えて打つポイント

【ポイント①】 振り幅は肩から肩
トップとフィニッシュの位置を明確にすることが大切。振り幅を小さくするだけで、スピードや力感はフルショットと同じ。ダウンスウィングにかけて速度をゆるめるとダフリやトップの原因になる。

力まないことが大事

【ポイント②】 距離が短くても体重移動はしっかり
アドレスで作った左6:右4の体重配分からトップでは5:5、インパクトでアドレスの比重に戻ってくる。体重移動の幅は小さいが、しっかり行う。土踏まずに体重を乗せることで、体が流れなくなる。

【ドリル】直立足とじ連続素振り
直立して胸の前からクラブが外れないように水平に振る。腰が止まると、クラブが胸から外れてしまい手打ちになるので注意。80ヤードを打つ前にコースで素振りをしてみよう。

80ヤードはヘッドアップとの闘い

杉山 もうひとつ、気をつけないといけないポイントがあります。それはヘッドアップです。

── たしかに。距離が短いので、結果を気にしてすぐにボールを目で追いかけてしまいます。

杉山 ヘッドアップしないためには、インパクトまでボールをぼんやり見てください。

── ぼんやりですか?

杉山 一点に集中すると、体が硬くなって力みやすくなります。スタンス幅程度視野を広げて見てください。

ヘッドアップしないポイント

【ポイント①】 スタンスよりやや広めの範囲に視線を落とす

スタンス幅よりやや広い範囲でボールをぼんやり見る。結果を気にすると目線を上げるのが早くなるので、決めた振り幅をしっかり振ることだけを意識しよう。

【ポイント②】 頭を上げるのはインパクト音を聞いてから

左耳でインパクト音を聞いてから頭を上げる意識を持っていると、ヘッドアップしにくくなる。

ボールだけを見ると、背中が縮こまり、体が硬くなりやすい。すると、力みやすくなるので、スウィングのバランスが崩れる

【ポイント③】 左ほほに壁があるイメージで振る

左ほほに壁を感じてスウィングすると、頭が動かさなくなるためヘッドアップしにくい。左右に流れる動きも防止できる。

PHOTO/Hiroaki Arihara

週刊GD2019年6月4日号より