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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.820「逆目のアプローチは、ザックリだけは回避する構えと打ち方を徹底することです」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

前回のお話はこちら


私はほとんどパーオンできないので、アプローチの調子でスコアが左右されます。一番苦手なのが逆目のラフでミスばかりします。どう対処すればいいのか教えてもらえますか。(匿名希望・42歳・ベストスコア84)


アプローチで逆目ライの状況は、およそもっとも厄介といえるかもしれません。

どんな選手でも苦手だと思いますし、得意という人はいないと思います。

逆目ライのアプローチはプロでも難しいので、ミスをするからといってそんなに悲観することはありませんよ。

逆目の状況を難しくしている要因は、ヘッドに芝が絡まり上手く抜けないことでしょう。

ですから、ヘッドが芝へ潜るように突き刺さり、抜けずにザックリしてしまう。

当然このような状況では、ボールをクリーンに打つことが非常に困難なので距離感を出すことはさらに至難の業です。

逆目のアプローチは、プロでも毎回同じように打てないので、かなりの練習と経験を積んだとしても難しいことには変わりありません。

この種のショットは難しいのはもちろん、打たないと分からない部分も多くあることも、難しくしている要因だと思います。

ただし、その不確実性を把握することで、できるだけミスを少なくすることはできます。

逆目ライのアプローチの対処の基本は、厄介この上ない危険ゾーンにボールを入れないことです。

当たり前すぎてイラッと来た人もいるかもしれませんが、グリーンは水がたまらないよう外へ流れるために芝は外に向かっていることが多いです。

ですから、ややグリーンから外側へ下っているような場所は逆目になっていることがあります。

あと、次のホールへ向かう導線のエリアもグリーンに向かって逆目になっている可能性が高いので打たないように注意しておきましょう。

そうはいっても、もし逆目ライに行ってしまったときどうすればいいのか。

わたしならこのように対応します。


●クローズスタンスにして構える
●ボールの近くに立ちハンドアップにしてヒール側を少し上げる
●パターのストロークのように手首の動きを抑えて振る

オープンスタンスにするとインパクトでフェース面が芝の抵抗に負けて変わりやすくなるので、芝の抵抗があってもフェース面がブレずに振り切れるクローズスタンスのほうがザックリなどのミスが少なくなると思います。

あと、ヘッドと芝の接地面をなるべく少なくするために、ボールの近くに立ちヒールを上げてトウ側でボールを打つようにします。

振り方は手首の動きを使わず抑えたほうが、ボールだけをヒットできるようになるので、ミスは減るし距離感も計算しやすくなると思います。

もちろん慣れないと簡単ではないですが、これら3つのポイントを頭に入れておけば、逆目ライだけでなく傾斜からのアプローチなどでも応用できると思います。

これから夏場になって芝が強くきれいに生えそろうと逆目ライのアプローチはよく遭遇するシチュエーションですが、コースの中だけでなく職場やプライベートでも逆目みたいな場面ってあったりしますよね?

人生もゴルフと同じ。

ゴルフの対応策はお伝えしましたが、人生においてそういう状況に巡り合わせたら、これもちょっとした試練だと思って、今度は自分なりの対応策を見つけ出すことで打開していってくださいね(笑)。

「できないのに欲を出すとプロでも痛い目に合います」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2024年7月9日号より

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