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【クラチャンと回ろう】館山CC・佐野充成さん<前編>風に負けない強い球を打つコツは「右手は静かに使え」

全国のクラチャン(クラブチャンピオン)にゴルフ上達の極意を学ぶ「クラチャンと回ろう」。今回、話を聞いたのは、海風に翻弄される難コース館山CCで、令和5年度のクラブチャンピオンに輝いた佐野充成さん。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/館山CC
※佐野さんにはボランティアとして登場していただきました


今月のクラチャン:佐野 充成さん


●館山CC 令和5年クラブチャンピオン
●年齢:51歳
●ゴルフ歴:17年
●ドライバー飛距離:270Y
●メンバー歴:16年

館山CC
27H/東コース(3184Y・PAR36)、西コース(3419Y・PAR36)、中コース(3071Y・PAR36)

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10度目の挑戦で悲願達成
大ギャラリーの祝福に涙

昨年、挑戦10度目にして念願のクラチャンに輝いた佐野さんは、優勝の感動を今も忘れない。仲間やクラブ関係者、コーススタッフ、従業員ら100人近くのギャラリーが、花束や紙吹雪、クラッカーを手に待ち受けてくれたのだ。通称“クラチャン祭り”と呼ばれる、館山CC恒例の派手で陽気な優勝者の出迎えだ。

「それまで7年連続、横目で祝福される優勝者を見てきましたから、いつか自分も……という思いは人一倍でした。だから本当に嬉しくて自然と涙がこぼれました」

佐野さんは同時に、やはりかつて同CCのクラチャンだった父・和雄さんの教えを思い出していた。

佐野さんが初めてクラブを握ったのは10歳、小学5年生の時。

「父が競技ゴルフにのめり込み出した時期で、上手くなりたい、強くなりたいという思いからか、とにかく厳しくて、それでわずか1年で逃げ出しました(笑)」

それから35歳まで、仕事の付き合い程度でほとんどゴルフをしてこなかった。再び本格的にゴルフを始めるのは、和雄さんの競技ゴルフ引退がきっかけだった。

「父からメンバーにならないかとの誘いがあり、その時初めて、歳を取ってから息子たちと一緒に回りたいというのが、ゴルフを始めたきっかけだったと知りました。その頃、ボクにも息子がおり、それがゴルフを再開するきっかけになったんです」

佐野さんが競技ゴルフに傾倒し始めたのは、10年前に初めて出場したクラブ選手権からだ。なんとか決勝まで進出したものの、当時、ジュニア上がりのトップアマにコテンパンにやっつけられた。生来の負けず嫌いは、何度もクラチャンに輝き、地元ゴルフ界では知らない人のいない父から受け継いだ遺伝子でもあったのだろう。ちなみに9年間で2位が4回、ベスト4が2回。そして昨年、挑戦10度目にして念願のクラチャンに輝いたわけだ。

「右手は静かに使え」は、脳裏に蘇った10歳の時に聞いた父の言葉。右手で強く押せる、270Yのドライバーショットにつながっている。

「右手は静かに使え」
海風を制する合言葉

Point1
右手の角度をキープしてフォローまで振り抜く

相撲でいうところの下手出し投げ。右手首の角度を変えず、インパクトでボールを押し込んでいく。いわゆる低く長いインパクトはこうして作られる

右手を“はねる”(こねる)ように使わないこと

手や手首は、人間の体の中でも最も器用な部位だけに“勝手に動いてしまう”ことも。それを防ぐには“はねる(こねる)ように使わない”

Point 2
手のひらをターゲットに向けてフォローを出す

フォローで右手の平がターゲット方向に向いているかをチェック。それができていると右手首の角度が変わらず、ボールを強く押し込んでいける

「体が起き上がったら風には対応できません」

全体重、全エネルギーをボールに伝える。体の起き上がりは体重、エネルギーのロスであり、風に負けたショットにつながる。強風だと“2ホールは流される”のが館山CCなのだ

Point 3
グリップは「フィンガー」

海風に負けない強いショットだが、グリップは強くは握らない。フィンガーグリップでヘッドの重さを感じるよう、下から優しく握るのがポイントだ

佐野さんの1Wスウィング

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月刊ゴルフダイジェスト2024年7月号より