【ゴルフジム】「ゴルフを始めて1カ月。同じように振っているはずなのに、全然球に当たらないんです」
読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは、「なかなか上手くボールに当たらない」というもの。その解決法とは?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ボールパーク
教える人/藤井誠
ふじいまこと。58年生まれ。米軍多摩ヒルズGCで長く副支配人を務めながら、「多摩キッズ」を創設、ジュニア育成に力を入れる。現在、「ザ・プレミアムバックステージ虎ノ門」アドバイザー兼インストラクター
<今週のお悩み>
「10回中5回くらいボールに当たりません」
●市原 和則さん(65歳/ゴルフ歴1ヵ月/ラウンド経験なし/身長160cm)
コンパクトで「必要最小限」という感じのスウィング。ビギナーとしては十分なスウィングだが、ダウンスウィングでやや腕と体の回転のバランスが取れていない(手が強い)のは、早めに修正しておきたいところ
市原 毎回同じように振ってるつもりなんですが、当たったり当たらなかったりするんです。
藤井 なたで木の枝を払うみたいに、前腕だけでクラブを操作しているように見えます。ゴルフのスウィングは下半身から動作が連動していって、最後にクラブが動くわけですけど、前腕というのはそのクラブとただつながっているだけなんです。
市原 今は手で振るのが精いっぱいです。
左右の腕に一体感がありません
藤井 もちろんビギナーのうちは誰でもそうです。ただし、手を使うにしても左右のバランスは整っているほうがいい。たとえばテークバックでは、左右の腕の間隔があまり変わらないように上げるほうがいいです。それとトップでは、右腕だけを高く上げたりしないように、なるべく両腕の高さを揃えるように意識してみてください。
市原 トップで腕の高さを揃えるというのが、よくわかりません。
藤井 クラブを胸の前で立てて持つと、両腕(両前腕)の高さが大体同じになりますよね? たとえばそこに定規を置いたとして、その定規を落とさないようにクラブを上げるにはどうしますか?
市原 腕はそのままで、胸を回す感じですかね。
藤井 そうです。それが正しいテークバックの感覚なんです。両腕の間隔が広がったり、右腕だけが高くなって定規が落ちてしまうのは、右腕でクラブを操作しようとしている証拠です。
これで解決!
「左右の腕をバランスよく使い
体の回転と連動させよう」
トップで両腕の高さを揃える
テークバックは両腕の間隔を変えずに、ただ胸を回す感覚。トップで左肩は下がるが、両腕の高さはあまり変わらない(右腕を高くしない)ようにすると、ダウンスウィングの軌道が安定しやすい
Drill 1
両腕に定規をのせてテークバック
Drill 2
両手のひらを正面に向けて回転
腕と胸(体)を連動させて動かす感覚をつかむには、両手首を合わせ、手のひらを自分と反対側に向けて素振りをするといい。左右のバランスが崩れると、手のひらの向きが変わる
Point
ダウンスウィングは下半身から
トップでの腕と体の関係性がよくなると、切り返しで下半身を巻き戻すことで、動作が胴体、腕、クラブと自然に連鎖していくようになる
週刊ゴルフダイジェスト2024年6月11日号より