ハーフショットには、ゴルフ上達のエッセンスが凝縮されていると大本研太郎プロは言う。最後は、ハーフショット練習の応用バージョンや練習のポイントを教えてもらった。

TEXT／Kenji Oba　PHOTO／Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos、Getty Images　THANKS／GPC恵比寿

解説／大本研太郎

2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。恵比寿にあるスタジオ「GPC恵比寿」を主宰。スウィング理論だけでなく、マネジメントやメンタル、フィジカルにも精通する理論派プロ。現在、女子プロの東浩子、藤田さいき、臼井麗香、永嶋花音を指導中

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スウィングの基礎が磨かれ
技術レベルも飛躍的に上がります

ゴルフはすべてコントロールショットと力説する大本プロは、ハーフショットの意義をこう語る。

「ゴルフは狙った場所にボールを運ぶゲームです。次のショットは何ヤード打つのか?　つまりゴルフは距離しかないのです。方向性も必要でしょと考えるアマチュアもいますが、『どこに何ヤード打つ』さえ決まれば、方向は自然に合います。ゴルフは距離がすべてなんです。それなのに多くのアマチュアはボールをより遠くへ飛ばそうとします。これでは距離を無視しているのと同じです。その点、ハーフショットは半分の距離を打つことが目的です。距離にこだわるからこそ、コントロールする技術が身につくのです。そしてハーフショット最大の恩恵は、再現性が上がることです。毎回、芯で打てる。毎回、バランスが崩れない。毎回、同じリズム。この再現性はハーフショットでしか身につきません」

狙った距離を打つ。そのベースがハーフショットにある。では、コントロールショットの世界を広げるには、どうすればいいのか?

「2つのハーフショットで学んだ大きさと速度。これをアレンジすることでコントロールショットの幅が広がります。スウィングの速度50％を基準にすれば25％、75％が試せます（振り幅も同様）。さらに振り幅と速度を組み合わせることもできます。半分の大きさで半分の速度にすれば、25％の距離が打てるなど、さまざまな距離を打ち分けられます。このハーフショットはショートアイアンだけでなく、全番手練習してください。ドライバーで100Yを打つ練習は、相当いい練習です。インパクト効率が上がるので飛距離は間違いなく伸びます。ウェッジのハーフショットならフェースの開閉が使えますから細かい距離もコントロールできるようになります」

恐るべし、ハーフショット。これは、やるしかない!

ハーフショット練習に隠されたメリット
①再現性アップ
②ミート率アップ
③距離感アップ
④リズムの安定
⑤軸の安定

Drill 1
ドライバーでハーフショット

ミート率が上がり飛距離が伸びる

ドライバーの飛距離が200Yなら100Yを打つ。これも振りの大きさまたは速さでコントロール。「簡単なようですが、最初は飛びすぎるはず。ハーフショットなら芯で打つ感覚がよくわかりますよ」

Drill 2
ウェッジでハーフショット

距離を打ち分けるコツがわかる

ウェッジでもハーフショット練習しよう。「大きさと速度に加え、フェースを開いたり、ハンドレイトに構えるなど、多彩なアレンジができるので、いろいろな距離を打てるようになります」

計測器があればインドアでもハーフショット練習はできる

「ハーフショットは着弾が見える屋外の練習場がベストですが、インドアでも距離計測できるなら練習は可能です。振りの速さや大きさを変えながら、半分の距離になる加減をつかみましょう」

週刊ゴルフダイジェスト2024年5月7・14日合併号より