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【大谷翔平に学ぶ飛ばしの極意】#2 ポイントは「グリップエンドの向き」と「足の踏み込み」

大谷翔平の「縦振り」はゴルフにも応用できると話す永井延宏コーチ。ここからは、縦振りを実現するうえで注意すべきポイントを教えてもらおう。

PHOTO/Hiroaki Arihara、Blue Sky Photos、共同フォト、Getty Images THANKS/井高野ゴルフセンター、ゴルファーレ高田馬場店

野球では打球速度158キロの場合、打ち出し角26~30度のゾーンがもっとも長打が出やすいとされる。大谷をはじめアーロン・ジャッジやマイク・トラウトらの長距離打者は縦振りを取り入れている

解説/永井延宏

ながいのぶひろ。1969年生まれ。埼玉県出身。日本大学櫻丘高校でゴルフ部主将を務め日本大学に進学。アメリカ留学して最新のスウィング理論を学び、帰国後、日本でティーチングを広めた先駆者のひとり。2006レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞

グリップエンドの
向きに注目

効率良く飛ばせて、方向も安定して打球も上がりやすいといういいことずくめの縦振り。実際にゴルフスウィングに取り入れるには、どうしたらいいのだろうか。

「まずはグリップエンドの向きを意識しましょう。下のブルックス・ケプカの写真がお手本です。ハーフウェイダウンからインパクトにかけて左腰をしっかり背面側に回して、左サイド全体でクラブを引っ張り上げてくる感覚です。僕もバッティングセンターに通い詰めて試したのですが、ハーフウェイダウンでグリップエンドが地面を指すと、左ひじが伸び切ってやりづらい。両ひじを軽く曲げて行うのがポイントです」


縦振りを習得するためにポイントとなるのが、グリップエンドの指す方向。ハーフウェイダウンでは目標方向、その後、インパクトにかけては自分の背中側の上方向を指す

バッティングセンターで行った縦振り習得法。ボールが向かってくる軌道にグリップエンドを向けて構え、インパクトに合わせて腰を回してバットを出していくと、縦振りの軌道を体感できる

足の踏み込みによって
体が高速回転

グリップエンドの向きを意識することで、縦振りの腕の使い方がわかった。では、この形でヘッドを速く振るにはどうしたらいいのか。

「答えはズバリ足裏。踏み込みによって体が高速回転し、縦振りを加速できます。お手本はシェフラーです。トップでは右足かかとで地面を押し、インパクトでは左かかとが地面を強く押していることが分かります。特にインパクト時の踏み込みの強さがあると、左腰の切れ上がりのスピードにつながり回転スピードが上がってきます」

シェフラーの場合は、回転というよりも、右から左へと大きく体重移動しているようにも見えるが……

「実際に体重移動は発生していますが、意識はしていないはずです。体重移動を意識すると、体の回転が止まってフェースを返す動きが入りやすくなってしまいます。意識するのは足の踏み方だけでOKです」

フォロー時の足元を見ると、接地しているのは右つま先と左かかと。左右の足で対称的な方向に荷重されていることが、縦振りで飛ばす重要な要素になる

スコッティ・シェフラ―の1Wスウィング

トップでは右かかとに体重がかかり、切り返しで左つま先側に踏み込み、インパクトからフォローにかけては左腰を切り上げるため、左かかと側に荷重され、自然と左つま先が浮いてくる。高速で体が回転すればするほどこの度合いが強くなる

タオルを踏んで
足裏の体重のかけ方を体感

トップ……右かかとと左つま先を踏む
ダウン……右つま先と左かかとを踏む

両足裏の中央にタオルを敷き、足の踏み方で上半身の動きを習得するドリル。インパクトからフォローにかけて左かかとを強く踏み込むことで、左腰と左肩が勢いよく背面側に切り上がるように回転する

>>「縦振り」を身につけるための練習法とは?

週刊ゴルフダイジェスト2024年5月7・14日合併号より