【読者記者】No.1861「ゴルフを始めて1年。グリーン周りでトップするのを直したいんです」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「グリーン周りでのトップのミスを減らしたい」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ZEN GOLF RANGE 北大宮店
読者記者No.1861 奥田愛乃さん
●主婦 ●ゴルフ歴/1年 ●ベストスコア/111 ●アベレージスコア/121 ●ドライバー飛距離/160ヤード
先生/笠原将揮
93年生まれ。学生ゴルフを経て、ゴルフ場に所属しツアー出場を目指すが、その後、コーチに転向。その人に合った体の使い方、練習方法などを伝えるレッスンが人気。「ZEN GOLF RANGE」北大宮店所属
奥田さんのお悩み
「グリーン周りでトップが多い」
始めてまだ1年くらいですがやっぱりグリーン周りが難しいと感じます。トップすることが多くて思ったよりボールが転がってしまうんです
トップでは左足に重心があるが(2コマ目)、そこから少し「揺り戻し」が起きて、インパクトではセンター重心になり、上体が起きている(3~4コマ目)
奥田 なぜトップするのですか?
笠原 本能的にボールを強く出したくないので、切り返し後に重心を右に戻しながら、ボールを「上げよう」としてしまっています。ウェッジはロフトがボールを上げてくれますから、それを信じて、左足重心のまま、ソールで地面を叩くように上から打ってみましょう。
奥田 ホントだ、ちゃんと上がる。
笠原 振り幅は左右対称で、小さい動きでもしっかり体の回転を使うことを意識してください。
<問題点>
飛びすぎを嫌って重心が右に戻る
短い距離では、「飛ばしたくない」という気持ちから重心が右に残り(戻り)やすくなる。同時にヘッドを持ち上げるので、トップしやすい
記者「ヘッドが地面に届かない感じがします」
コーチ「ソールで地面を叩くとボールにも当たります」
初心者の場合、ヘッドが地面と接触することに対して、潜在的な恐怖感を持っていることも多い。これを払拭するには、ウェッジのソールで地面を「叩く」練習をするのがいい。ソールが地面に当たることで、むしろ「滑る」ことが理解できる
左重心のままインパクト
左重心で打つとロフトが立って当たるが、ウェッジは元々ロフトが大きいのでそれでもボールは上がる。自分で「上げない」のがポイント
右足を1歩引いてボールを打つ。
自分で「上げない」打ち方がわかってきた!
Drill 1
右足を引きほぼ左足体重で打つ
右足を1歩引いてつま先立ちにし、左足にほとんどの体重をかけた状態でボールを打つ。重心が左右に揺れないので最下点の位置が安定し、一定の入射角でヘッドが上から入る。それでもロフトがあるのでボールは上がる
Drill 2
グリップエンドをお腹につけて振る
手の動きと体の回転が連動する感覚をつかむには、クラブを極端に短く握って、グリップエンドを腹につけた状態でスウィングするのがいい
Point
フォローまで腕と体を連動させる
手を使ってヘッドを上から落とすと、最下点が地面より深い位置になってしまう。あくまでも体の回転でヘッドを動かす
<取材後記>
手だけで打とうとしてました
小さく振るとき、手だけで振ってしまいやすいんですね。腰を回して打っても、ロフトのおかげでボールが上がって「飛びすぎない」のがわかったら、トップしなくなりました。
ロフト通りにボールを上げられた!
重心の揺り戻しがなくなり、左足重心でインパクトできている。最下点がボールより先になり、入射角が安定してきた
月刊ゴルフダイジェスト2024年5月号より