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【トップアマ100人調査】“最も上達に役立つ練習法”1位は「ビジネスゾーンを磨く練習」その方法とは?

ゴルフが上手い人はどんな練習をして上達したのだろうか? 今回は、全国のトップアマ100人に、最も上達に役立った練習法を大調査! たくさん練習しているのに、なかなか上達しないとお悩みのあなた、必見です!

PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Tsukasa Kobayashi、Yasuo Masuda THANKS/井山ゴルフ練習場、東野ジャンボゴルフレンジ、波之上ゴルフ、ボールパーク、竜神ゴルフセンター
※アマチュアのみなさんにはボランティアとしてご協力いただきました

>>後編はこちら

今回100人のトップアマに、「スコアアップにつながった練習」の聞き取り調査を実施。すると、ドライバーなどのいわゆる“楽しい”練習ではなく、地道な練習が大多数を占めた。基本練習が多いだろうと予想はしていたが、ここまで多くの上級者に言われると……耳が痛い。なぜなら、爽快感や楽しさを求めて、我々はドライバーのフルショットばかりをしてしまいがちだから。でも、楽しさを求めてしまうと、上達という意味では遠回りになってしまうということだ。

でも、大事だとわかっていても“地味練”はなかなか続けられない。そこで今回は、地味だけど続けられる“工夫”を、トップアマたちに教えてもらった。

トップアマ100人に聞いた“上手くなる練習”トップ5
1位 ビジネスゾーンを磨く練習 35人
2位 100Y以内を徹底的に 22人
3位 素振り 18人
4位 長いクラブを練習 8人

5位 パッティング練習 6人

ここからは、競技アマの練習法について話を聞いていこう。練習法のなかでも、一番多かったビジネスゾーンを磨く練習について。まずは、2人の競技アマの練習法をご紹介。

練習は「9Iだけ」で十分です

木下輝洋さん(51歳・HC0)

きのしたてるひろ。日本ミッドアマに多数出場経験あり。茨城を代表するトップアマのひとり

練習場で、たくさんのクラブを満遍なく打つのと、1本のクラブを集中して打つのとではどちらが早く上達するか。議論が分かれるところだが、木下輝洋さんは完全に後者。そもそも、練習場に9番アイアン1本だけしか持っていかない日もあるという徹底ぶりだ。

「なぜ9番かというと、もともと好きなクラブだったというのと、いろんな番手でやってみた結果、9番アイアンがスウィング作りに最適だとわかったからです」と、木下さん。練習の中心は、左手での片手打ち。最初のうちは、それだけで200球打つこともざらだったというから恐れ入る。

「今でも調子が悪くなったら、9番だけ持って練習場に行って、左片手打ちでスウィング調整しています。スウィングの基準になるクラブというだけでなく、絶対的な得意クラブでもあります」

「全力で片手打ちをできる長さの限界が僕は9Iなんです」

長くなると当たらなくなるので、9Iで行うという木下さん。スウィング作りが目的なので、片手打ちでできる最大の振り幅で振る。それができるようになると、スウィングリズムが安定して入射角も整ってくるという

木下さんの練習法1
左片手フルスウィング

フルスウィングのトップから、フルスウィングのフィニッシュまでしっかり振ることで、自然とリズムが一定になり、大きな円弧の振り子スウィングになる。出球の方向だけ注意して、そこから先の曲がりは気にせず振り抜く

●Point 1
右手のひらを腰に当てる

最初は右手で左肩を押さえて振り、それができるようになったら右手のひらを背中に当てて振る。手の甲を当てるより、手のひらのほうが姿勢がよくなり上体が回りやすいという

●Point 2
左わきを支点にして振る

振り子の支点を「左わき」にイメージする。はっきりと支点を作ることで、インパクトまで左肩の高さが変わらず、入射角が安定する

木下さんの練習法 2
スティックを置いて打つ

テークバック側の地面に、スウィング軌道を示す形で棒を置く(写真)。ダウンスウィングでは、この棒に「胸の向き」を合わせるイメージで振ると、上体の開きを抑えてクラブをインから下ろせる

インパクトの入り方がよくり、軌道が安定!
左腕で最大円弧を作って振ることにより、入射角がきつくなりすぎない。また、左手1本では遠心力に頼らざるを得ないため、自然に単一プレーンになる

こんな練習も!
9Iでロブショット

9番アイアン1本でも、いろいろな打ち方をすると実戦への汎用性が高まる。木下さんは9番アイアンでのロブショットも練習に取り入れている。フェースの向きと出球の関係がわかり、球筋の管理がしやすくなる

激重アイアンと軽・軟アイアンで
手打ちを解消

渡久地政志さん(44歳・HC2)

とぐちまさし。社会人からゴルフを始め、今では沖縄県のトップアマとして活躍。スウィング研究が趣味

社会人になってからゴルフを始めたという渡久地政志さんは独学でゴルフを覚え、プロのスウィングの真似から上達の道を歩んだという。スウィング研究の最中、ただ打っているだけではダメだと、思い付いたのが重さの違うクラブで打つことだった。

「重いクラブで素振りをすることから始めたんですが、実際に打てる練習器具を見つけて。重いクラブで打とうとすると、知らない間に体でスウィングすることが身についてきましたし、“振る力”も養えたんです」

重いクラブはメリットばかりではない。重すぎるがゆえに少し油断するとダウンスウィングでクラブが寝てしまう。

「だから軽いクラブでも練習しています。軌道をしっかりチェックしながら打つことでどんどん上達していきました」

約1.4kgの練習用クラブで50球

偶然見つけたという重さ約1.4キロの練習用アイアン(7I)。通常の7Iは400g程度なので、3倍以上の重さということになる

軟らかいシャフトの軽いクラブで10球

こちらも練習用のアイアン。シャフトが軟らかく、手先で振ると上手く打てない。「重いのを50球→軽いのを10球→重いのを3球」が渡久地さんのメニュー

渡久地さんの練習法1
重いクラブで球を打つ

●Point 1
クラブに“振られる”感覚

重いクラブは多少勢いをつけることで体と同調しやすい。「クラブに振られる感覚が出てくるんです。ミスの多くは手打ちが原因。重いクラブで打つことで、手打ちがなくなります」

●Point 2
クラブを寝かさない

切り返しからダウンスウィングではクラブの重さに負けてヘッドが落ちやすい。クラブを寝かさないように強く意識するように心がけている

渡久地さんの練習法 2
軽くて軟らかいクラブで球を打つ

●Point
高いティーアップでフェードを打つ

高くティーアップして低いフェードを打つ練習をすることで、ヘッドを上から入れる動きを染み込ませ、再現性を高めることができる

●Point 2
左腰をしっかり回す

軌道を手で作るのはNG。切り返しから、左腰を回転させていって、体で上からの軌道を作る。「左腰の回転が甘いとフェードボールは打てません。軽いクラブでチェックしながら打ちます」

>>まだまだある!
ビジネスゾーンを磨く練習法

月刊ゴルフダイジェスト2024年5月号より