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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.113 ドローボールが打ちたかったら思い切ってアウトに上げてみよう

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

人間はみな天邪鬼(あまのじゃく)である。性格の話ではなく、動きの話。すごく簡単に言うと、筋肉は伸びたら縮もうとする、縮んだら伸びようとする、みたいなことだ。

ダウンスウィングの途中でクラブが寝ると、その負荷に体が自然に対抗しようとする。それを活用してクラブを立てる流行りの“パッシブトルク”理論も、広い意味ではそんな天邪鬼な人間の性質を生かした動きである。クラブを立てたきゃ、寝かせればいいのだ。石川遼プロが取り組んでいることで話題となったが、ボクはずっと以前からそのことを体感していた。いつも、理想の動きを目指すなら、それと反対のことをすればいい、と言っているのはそういうこと。決して、性格が天邪鬼だから言っているわけではない。

スウィング軌道に関しても同じ。理想と反対のことをすれば、おのずと理想に近づく、というのがボクの考え方。ダウンでインからクラブを下ろしドローを打ちたければ、テークバックをアウトに上げればいいのだ。

一般的にテークバックでアウトに上げるのはカット打ちやスライスの悪因とされ、タブーとされている。しかし、もしもドローを打ちたいと思っているならば、ぜひテークバックは積極的にアウトに上げてほしいのだ。そうすれば、意識しなくても勝手にダウンでインから下りてくるから。

まったくのビギナーは、アウトに上げてアウトから下りてくる人もいるかもしれない。それはゴルフの動きに慣れていないので、無理やりカタチを作ろうとしているから。でもいろんな知識を吸収すると、体の近くにクラブを通したくなり、インに上げることを意識するようになる。そうすると、クラブはおのずとアウトから下りてくる。この段階の人は、ある程度球もつかまり、左に曲がる球が出るかもしれない。しかし、それは本当のドローでない可能性が高い。真っすぐ飛び出し、左に曲がる球は、ひっかけである。本当のドローは5Y右に飛び出して5Y左に曲がる球のこと。これを目指すには、思い切った意識改革が必要だ。それが、テークバックをアウトに上げることだ。



アウトに上げると、トップがいわゆるレイドオフとなるので、自然とインからクラブが下りてくる。そのとき、球が左に曲がったなら、それが本物のドローだ。散々、アウトに上げることを避けてきたゴルファーからすると怖いかもしれない。しかし、ボクが知る片手シングルさんで、テークバックをインに上げる人は皆無と言っていいので、なんとか乗り越えてほしいポイントだ。

ともかく、自分ではやりすぎかな? と思っても、体の幅からクラブが外れない限り、ありえない動きにはならないから大丈夫。成功の秘訣は思い切ってやってみること。どんなに性格が素直でも、体の動きは、みな天邪鬼なので安心して。

人間の体は逆の動きをしたがるので、ダウンスウィングでクラブをインから下ろしたいなら、テークバックで超アウトに上げること。信じられないくらい、大げさにやるのが成功の秘訣


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年6月25日号より