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【長尺パターの凄い効果】#1 パットイップスの救世主!? 羽川豊が語る長尺のメリット

16年のアンカリング規制以降、目にする場面が減ったと思いきや、ここ数年、PGAツアーで使用者がじわじわ増えている長尺パター。自身も長尺パターで復活を遂げた“世界のレフティ”羽川豊プロは、パッティングの悩みを解決しうる「魔法の杖」だと話す。長尺パターのメリットと使い方を、羽川プロに教わった。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/CPGカントリークラブ

羽川豊 1957年生まれ。「日本オープン」「日本シリーズ」などツアー5勝を挙げ、シニアでも2勝。82年には「マスターズ」で15位に入るなど、日本を代表するレフティとして知られている

長尺なら利き手が悪さをしない

長尺パターでまさに「生まれ変わった」というのが、“世界のレフティ”こと羽川豊プロ。40代からパットイップスに悩まされ、まったく試合に出なくなっていたときに長尺パターと出合い、シニアツアーで2勝を挙げるまでの復活を遂げた。長尺パターはパッティングを劇的に変える可能性を秘めていると羽川は言う。

「通常のパターとはまったく違う道具なので、パッティング時に出てしまう悪いところ、イヤな感覚を消して、新しい感覚でパッティングできるんです。それが上手くハマれば、イップスに限らずパターが苦手な人が、まさに“別人のように”生まれ変われる可能性があると思います」

羽川の場合は、利き手である左手にこびりついていた違和感を長尺パターで消すことができたと言う。左右の手を離して握るからこそだ。

「敏感な利き手を殺して使えるので、利き手が悪さをしない。だからフェースをこねたりパンチが入ってしまう人には有効です。重いパターを大きな振り子でストロークできるのでちゃんと『打てる』し、方向性も取りやすくショートパットも安心。万人に合うわけではありませんが、パターが苦手で困っている人は、試してみる価値はあるはずですよ」

※2016年以降、クラブやクラブを握っている手を体に固定することは、ルール上禁止されている(アンカリング規制)

イップスを克服しシニアツアーで復活優勝

羽川はイップスが「ホールアウトできる気がしない」というほど悪化。8年間試合から遠ざかっていたが、長尺パターに出合ったことで克服し、シニアで復活優勝を遂げた

長尺のメリット1
利き手の「悪い動き」を抑制できる

繊細なはずの利き手が意図しない悪い動きをして、パンチが入ったりフェースをこねることがある。左右の手を離して使う長尺なら、この違和感を抑制できる

長尺のメリット2
スムーズな振り子で「しっかり打てる」

長くて重い長尺は、大きくスムーズな振り子でストロークできるし、良い意味で“鈍い”ため、ラインに乗せようとしてインパクトが緩むミスが出にくく、しっかり「打てる」

長尺のメリット3
ショートパットに絶対的安心感

手先を使いにくく振り子のように機械的なストロークがしやすいので方向がズレにくく、ショートパットの方向安定性が通常のパターよりも圧倒的に高い

雑な「お先!」だけは絶対やっちゃダメです

長尺パターは手先で動かしにくいぶん、雑に構えて雑にストロークすると、とんでもないミスが出る。「お先に」のパットを雑に打つと外しやすいので注意が必要だ

>>長尺パターの打ち方のポイントとは?

週刊ゴルフダイジェスト2024年3月12日号より

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  • 一流と称される者には、自身のゴルフスタイルを確立するためのきっかけとなった転機がある。例えばそれは、ある1ホールの苦しみかもしれない。例えばそれは、ある1ショットの歓びかもしれない。積み重ねてきた勝利と敗北の記憶を辿りつつ、プロゴルファーが静かに語る、ターニングポイント。羽川豊の場合、それは、長いイップスから抜け出せた道具との出合いでもあった。 TEXT/Yuzuru Hirayama P……