【青木瀬令奈の“2打目力”】#3 セカンドショットの精度を磨くとっておきの練習法とは?
セカンドショットでは、打ち方だけでなく“狙い方”も重要。ここでは青木流のマネジメント、そしてしっかりとその通りに打てるようになるための練習法について教えてもらった。
TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Takanori Miki THANKS/かねひで喜瀬カントリークラブ
- 「曲がらないドライバー」や「ショートゲームの上手さ」がクローズアップされる青木瀬令奈だが、彼女の本当の凄さは「2打目」にある。アベレージゴルファーのスコアアップにも必ず役に立つ、青木の2打目に対する考え方や技術について掘り下げていこう。 TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Takanori Miki THANKS/かねひで喜瀬カントリークラブ 青木瀬令奈 あ……
- スコアメイクする上で、セカンドショットの重要性を説く青木瀬令奈。では具体的に、どんなことを意識して打っているのか。ショットの精度を高める極意を教えてもらった。 TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Takanori Miki THANKS/かねひで喜瀬カントリークラブ 青木瀬令奈 あおき・せれな。1993年生まれ、群馬県出身。シード選手の中で最も飛ばない選手に……
センター狙いが
正しいとは限らない
セカンドでは「70点を真剣に狙いにいく」という青木。ということは、ピン方向を狙うのではなく常にグリーンセンターを狙うのが正解なのかと思いきや、必ずしもそうではないと言う。
「センター狙いって意外と危険で、3パットの可能性が高くなるんです。確かに乗せることだけを考えると真ん中狙いでいいかもしれませんが、ピン位置が左右に振られている場合に、真ん中よりもピンと逆側に乗るとかなり長いパットが残ってしまいます。それよりもピンのニアサイドに外れてくれたほうが、ピンに対しては上りのラインが残りやすいんです」
青木の場合、試合では物理的に2打目が届かないケースもある。そのため、いつも乗せることを優先しているわけではなく、外すべき場所が常に頭の中に想定されているのだ。
「ゴルフはミスをするスポーツ。ナイスミスをいかに重ねられるかを大切にしています」
結果としてバンカーに入ってもよしと考える
ピンを狙った結果、グリーンを外してバンカーなどトラブルになったとしても、それは狙い通り打った結果だからよしと考える。70点を目指す理由は、精神的にミスを引きずらない意味も含まれている
必ずしも「奥」が難しいとは限らない
ゴルフは「手前から」がセオリーと言われるが、必ずしもピンの奥が難しいとは限らない。奥に行っても大丈夫とわかっていればクラブのチョイスは変わるし、ショット中に変な迷いが生まれない
左右のどちらかを“消せる”方法を覚えておこう
左を消す
→ボール位置を右寄りに
左のミスを避けたい場合は、つかまりすぎを防ぎたいので、球の位置を右足寄りにしてやや上めからヘッドを入れるようにする。左足体重のまま振るのも左のミスを防いでくれる
右を消す
→ボール位置を左足寄りに
右のミスを避けたい場合は、普段よりボール1個分左に球を置くことで、自然と球がつかまりやすい状況を作っておく
地味だけど効果抜群!
ハイティーアップ打ちにトライ
ミート率を上げる効果的な練習ドリルを青木が教えてくれた。
「ハイティーアップしたボールを、ティーを飛ばさずにクリーンに打つ練習法です。初めはFWやUTでやり、慣れてきたらアイアンやウェッジで行うのがいいと思います。ウェッジはかなり難しいので、最後の仕上げと考えてください。ボールの赤道よりも下にさえヘッドが入ってくれれば、ボールには浮力が生まれます。この技術は2打目の精度を上げるだけでなく、フェアウェイバンカーなど、いろんな場面で使えます。最初は上手く打てず、地味な練習ですが、軌道を整えるには最高の練習法です。私自身も調子が悪くなると必ず取り入れています」
Point 1
ティーアップする分クラブを短く持つ
ハイティーアップすることでボールとの距離が近くなるので、クラブは短めに持つこと。クラブと体に一体感を持たせる意味でも短く持って振ることは効果的で、コンパクトなスウィングが身につく
Point 2
左ひざの高さを変えない
前傾角度をキープするためのコツは左ひ
ざの高さと角度を変えずに打つこと。ア
ドレス時の形を保つのがポイント。上体
の起き上がりなどに悩んでいる人はとに
かく左ひざの高さと角度を意識しよう
ここに注意!
ボールの手前にセットしてから構えよう
ハイティーアップドリルをする際、ヘッドをセットするポジションに注意。ボールの少し手前(自分側)の地面にヘッドを置いてからボールに合わせると、体とボールとの距離が正確になる
さらに難度アップ!
ウェッジでハイティーアップ打ち
月刊ゴルフダイジェスト2024年4月号より