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【ゴルフの急所】Vol.36 パットはアッパーブロー or レベルブロー、どっちが正解?

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

パットはアッパーブローがいいとか、レベルブローがいいなどと言われます。しかし、稀にダウンブローで打っている人もいるようです。寺西プロは、どんな軌道で打つのがよいとお考えでしょうか?(松村俊也さん・50歳・HC15)


まず、パッティングに関して言えば、ダウンブローはよくないと、ボクは考えています。ダウンブローに打つと、力が地面方向に働き、球が地面に押し付けられる形になります。すると、その反動で球が弾み、狙ったラインから外れやすくなるからです。

では、ボクはどうしているかというと、基本、レベルブローを意識しています。短いパットや下りのラインはアッパーに打つこともありますが、最も転がりのよい球を打つためには、レベルに球をとらえ、パターの芯でボールの芯を打ち抜くことが大切だと考えているからです。

ただ、これは決してやさしい技術ではありません。レベルブローで最高の転がりを得るためには、常に
ヘッド軌道の最下点で球をとらえ、ボールの芯を打ち抜く必要があります。しかし、人間である限り、そこに必ずズレが生じるからです。


最下点で打とうとすれば、その手前で当たる(ヘッドが上から入る)ことも、その先で当たる(下から入る)こともある。さらに、打点だってズレる可能性があるわけです。つまり、レベルで打とうとする限り、100点満点の球も出るけれど70点以下の球が出てしまう危険性もあるのです。

その点、アッパーブローで打っていれば、打点のズレはあっても、ヘッドが上から入るミスは防ぐことができます。つまり、アッパーブローは、100点満点の球は出ないものの、平均してそこそこいい球が打ちやすい。レベルブローよりは、比較的やさしいストロークだと言えるわけです。

では、レベルとアッパー、どちらを目指すべきなのか? この選択は、それぞれのプレーヤーの考え方によると思います。難しい技術であっても、それを習得したい。そこに喜びを感じるというのであればレベルを。少しでもやさしく、誤差の少ない技術で楽しみたいというのであればアッパーを目指せばいいのではないでしょうか。

ボクは、ゴルフが上手くなるために一番大切なのは、ゴルフを楽しむことだと考えています。だから、技術を身につけるときにも、自分が楽しめるものを選んでいけばいいと思うのです。

とはいえ、自分の体重バランスや、使用するパターの形状によって、やりやすいストロークとやりにくいストロークがあるので、そこは注意する必要があります。

●やさしい「アッパーブロー」

アッパーブローで打っていれば(最下点をすぎたところで打っていれば)、アッパーの度合いが変わることはあっても、ヘッドが上から入るミスは避けることができる。寺西プロが、短いパットをアッパーに打つのは、打ち出しで球を浮かせ、芝の抵抗を減らす(球を弾ませずにラインに乗せる)ため。下りをアッパーに打つのは、左足に体重がかかってヘッドが上から入るのを避けるためだという。

●難しい「レベルブロー」

レベルブローで打つと、インパクトで力が働く方向と、ボールが転がる方向が一致する。そのうえで、パターの芯でボールの芯を打ち抜くことで、最高の転がりを得ることができるのだ。

ダウンブローに打つと、球がいったん地面に押し付けられ、その反動で球が弾んでしまうため、球がラインから外れやすい

Check 1
ボールの位置

ボール位置は左目の下あたりか、それより少し左が目安。そうすることでヘッドが上から入ることを防げる

Check 2
どちらの足に体重がかかっているか

右足に体重をかけるほどヘッドが下から入りやすく、左足に体重をかけるほど、ヘッドは上から入りやすくなる。だから、右足体重で構えている人はアッパー、左足体重で構えている人はレベルに近いストロークのほうが合っていると言える

パター形状と相性のいいストロークを知っておこう

基本的に、センターシャフト(画像右)はフォローの短いストローク、マレット型(画像中)はフォローの長いストローク、ピン型(画像左)はその中間のストロークが合っている。どんな軌道で打つにしても、自分の使っているパター形状に逆らわないストロークを目指すことが大切だ。

月刊ゴルフダイジェスト2023年2月号より

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