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【ゴルフの急所】Vol.35「ショートアイアンが引っかかる」それなら思い切って腰を回してみよう

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

ウェッジやショートアイアンが左に引っかかる(打ち出しから左に出て左に曲がる)のが悩みです。フェアウェイからでもグリーンの左に外してしまうのでスコアになりません。どうしたら直りますか?(高野裕二さん・55歳・HC17)


まず、間違いなく言えるのは、あなたのクラブの軌道はアウトサイドインで(外から下りていて)、インパクトのフェース向きはかぶっている(目標の左を向いている)ということです。

おそらく、他のクラブも同じ軌道、フェース向きでインパクトしているはずですが、ウェッジやショートアイアンは、球がつかまりやすいために、左に出て左に曲がる傾向が強く表れているのでしょう。

このミスを直すには、クラブをインサイドから入れ、球を目標の右へ打ち出す感覚を身につけることが大切です。そうすることで、左に出て左に曲がる球を、右に出して左に戻って来る球に変えられるのです。


練習をするときには、ウェッジやショートアイアンを使い、いつもより左(左かかと前くらいが目安)に置いた球を、目標の右に打ち出すようにします。基本的に、ボールを左に置くほど、球は左に飛びやすくなります。それを右に打ち出そうとすることで、強制的にアウトサイドインの軌道を矯正し、クラブをインサイドから入れる感覚を覚えるのです。

ポイントは、ダウンスウィングに入ったら、一気に腰を目標に向けてしまうことにあります。それができれば、腕が遅れて下りてくるため、クラブをインサイドから入れやすくなるのです。

よく、腰の開きを抑えたほうが、球を右に打ち出しやすいと思っている人がいるのですが、それは大きな間違い。腰の開きを抑えると、クラブを上体と腕で下ろすしかなくなります。すると、クラブはより外から下り、球が左に出やすくなるので注意してください。

練習場で球を打つときには、一番左の打席を選ぶとよいでしょう。左の打席から左に打ち出せば、球はすぐにネットに当たってしまいます。すると、人は本能的にそれを避けようとするため、自然にボールを右に打ち出す動きに変わりやすいのです。

初めのうちは、球を左かかと前に置いて、できるだけ右に打ち出す。それができたら、ネットと平行かわずか右に打ち出す。それもできるようになったら、通常のボール位置でも、同じ要領で練習してください。

このような練習を続けていけば、自然にアウトサイドインの軌道は直り、ウェッジやショートアイアンの引っかけは出にくくなるはずです。

アウトサイドインの軌道を直すのは、時間のかかる大変な作業だと思います。でも、それが直れば、飛距離も方向性も確実にアップしますので、ぜひチャレンジしてもらいたいですね。

引っかかる原因は?

球が左に出て左に曲がるのは、アウトサイドインの軌道で、フェースがかぶってインパクトしている証拠だ

Point 1
勇気をもって腰を目標へ向ける

球を右に打ち出したいときほど、ダウンスウィングで腰を思い切って目標に向ける。腰を開くと、球がつかまらない気がするかもしれないが、勇気を持って腰を目標に向けることが、クラブをインサイドから下ろすポイントになる

腰の回転が足りないと、クラブが外から下りやすいので注意

Point 2
目標の右に打ち出して左に戻る球筋を練習する

球の打ち出しを少しずつ矯正するのは難しい。だから、左に出て左に曲がる球を直すときには、目標に真っすぐ打ち出そうとするのではなく、思い切って目標の右に打ち出すことが大切だ

ボールの位置は左かかと前

球を左かかと前に置き、できるだけ目標の右に打ち出す。右に打ち出して、左に戻って来る球を打つことが目標

打席選びを工夫しよう
練習場では、一番左の打席を使うと、右に打ち出す感覚をつかみやすい。初めのうちはなるべく右に打ち出し、慣れてきたら、右に打ち出す度合いをゆるめていこう

月刊ゴルフダイジェスト2024年1月号より

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