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【ゴルフの急所】Vol.34 頭は動いていい! 「軸のブレないスウィング」の真実とは?

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

プロのスウィングは軸を中心にその場で体を回転しているように見えますが、私は体が左右にブレ、クラブを気持ちよく振れません。軸のブレないスウィングに近づける方法を教えてください(岩崎駿介さん・48歳・HC18)


まず知ってもらいたいのは、軸のブレないスウィング=頭の動かないスウィングではないということです。

頭を止めれば、軸はブレないと思っている人が多いのですが、どんなプロでも、スウィングをすれば頭は右、左に動きます。頭がまったく動かないスウィングなどこの世に存在しないのです。

逆に、体の一部を止めようとすると、体はスムーズに動かなくなってしまいます。頭を止めようとすれば、スピードが落ちる、回転不足になる、体が暴れやすくなるなどの悪い動きにつながるので注意しなくてはいけません。


スウィング中に軸を安定させるためには、体をスムーズに回転させることが大切。そのためには、まず、頭を止める意識を捨てる必要があるのです。

ここまでを理解したうえでチェックしてもらいたいのは、アドレスで骨盤が前傾しているか、ということです。

骨盤の立った構えをしていると、スウィングしたときに、股関節の位置が安定しません(動きやすくなる)。その結果、腰が引ける動きや、スウェイする動きにつながり、軸がブレてしまうのです。

また、骨盤が立っていると、背中の丸い、背骨の曲がった構えになります。すると、体をスムーズに回せなくなってしまう……。これも軸がブレる大きな原因と言えるでしょう。

骨盤を前傾させるためには、お尻を後ろに突き出しながら、おヘソを地面に向けて構えるのがポイントです。このとき、背中を反らせず、丸めず、背中が真っすぐ見えるように構えてください。この構えができれば、股関節がしっかりと入った状態で、体をスムーズに回旋させられるので、軸は安定しやすくなるはずです。

実際にスウィングするときには、背骨あたりに軸をイメージして、それを中心に体を回していくとよいでしょう。 

試しに、背骨あたりにクラブを当て、そのクラブの位置をなるべく動かさずに、シャドースウィングしてください(写真参照)。すると、クラブを中心に上半身が右左に動き、頭も右左に動くことが感じられると思います。これこそが頭を動かしながらも、軸をブラさずにスウィングするという感覚なのです。

正直、プロのように軸の安定したスウィングをするためには、かなりのトレーニングが必要になります。ですから、まったく同じ動きをするのは難しいと思いますが、今回紹介したポイントを押さえてもらえば、軸のブレる幅は抑えられるはずなので、ぜひ試してみてください。

Point 1
頭がまったく動かないスウィングは存在しない

軸がまったくブレないように見えるプロでさえ、バックスウィングすれば頭は右に動き、インパクト以降は、頭は左に動く。頭を止める意識があると、体がスムーズに動かなくなるので注意しよう

Point 2
骨盤を前傾させると軸がブレにくくなる

軸をブラさずにスウィングするためには、骨盤を前傾させ、背中が真っすぐに見えるように構えることが大切

骨盤が前傾していると、股関節にしっかりと乗ることができて、股関節の位置が安定するので、軸がブレにくい

骨盤が立っていると体がスムーズに回らない

骨盤が立っていると、背中の丸い構えになるため、スムーズに体を回せなくなる。腰が引けたり、スウェイしやすいので注意

Point 3
背骨に軸をイメージしてシャドースウィング

骨盤を前傾させて構えたら、背骨に軸をイメージし、それを中心に体を回す。このとき、頭は自然に左右に動く。まずは、シャドースウィングで動きをつかみ、それを実際のスウィングに取り入れていこう

月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より

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