【読者記者】No.1843「ドライバーで強いフックが出てしまいます」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「ドライバーで強いフックが出る」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Hiroshi Yatabe TEXT/Daisei Sugawara THANKS/洗足ゴルフスタジオ
読者記者No.1843 神田綾太さん
●32歳 ●会社員 ●ゴルフ歴/3年 ●ベストスコア/100 ●アベレージスコア/110 ●179cm・67kg ●ドライバー飛距離/250ヤード
先生/荒木崇史
83年生まれ、埼玉県出身。高校卒業後5年間、研修生として過ごす。その後、理学療法士となり病院などに勤務するも、ゴルフ熱が再燃し、インストラクターの道へ。現在、「洗足ゴルフスタジオ」インストラクター
神田さんのお悩み
「ドライバーで強いフックが出る」
巻き込み系のフックがよく出ますが、ドライバーがとくにひどいです。もう少し曲がり幅の小さいドローか、欲をいえばストレート系の球にしたいです。
ダウンスウィング後半でヘッドが「落ちて」、フェースが開いた状態になっている(3コマ目)。そこから急激に手を返すため、強いフックが出やすい
神田 ドライバーで、すごいフックが出ちゃいます。
荒木 スウィングに、野球のバッティングの要素が入っているように見えますが、経験者ですか?
神田 野球はやってました。
荒木 バッティングと違って、ゴルフの場合は、なるべく右手のひらを下に向けながら下ろすほうがいいんです。そうすると当たるときにはもう、フェースがスクエアに戻っているので、無理に手を返さなくて済むんです。
神田 なるほど。
荒木 ドライバーみたいに長いクラブは、ダウンスウィングの途中で右手を上に向ける(フェースを開く)と、ヘッドの重みでクラブが寝てしまうんです。この状態からスクエアに戻すには、かなり強く手を返さなくちゃいけない。それをなくすには、左手を支点に右手が上になってクラブを返す形にする必要があります。たとえば、思い切り両手の間隔を離して、空中の目標を叩くと、右手を上にする感覚がわかると思います。
<問題点 1>
インパクト前にフェースが開きすぎる
ダウンスウィング後半で右手のひらを上に向けると、フェースが開いて、急激なフェースターンを誘発する原因になってしまう
<問題点 2>
野球のイメージだと手のひらは上を向く
野球だとインパクト直前の右手のひらは上を向き、当たってから両腕を返していく(写真)。このイメージでゴルフクラブを振ると、フェースの開閉が大きくなりすぎる
記者「ヘッドの返りすぎを抑えたいんです」
コーチ「右手のひらを下向きに使いましょう」
Point
上から強く叩くと自然に体も回転する
体を回そうとしすぎて、腕とクラブが振り遅れる人は多い。本来、何かを強く叩こうとすると、体は自然に回る(写真)。振り遅れる人は、腕に意識がなさすぎる
ヘッドを「落とさない」ドリル集
Drill 1
両手の間隔を開き空中の物体を叩く
Drill 2
地面にあるものをスプリットハンドで打つ
Drill 3
ひざ立ちでボールを打つ
ひざ立ちの場合、ダウンスウィング途中でヘッドが「落ちる」と必ずダフる。右手のひらを地面に向け、右手が左手の上になる状態を維持して下ろす感覚がわかる
Drill 4
グリップを指でつまんで振る
左右とも3本の指で握る
右手のひらが上を向いてしまうのは、右手のグリップ圧が強すぎることも原因。3本の指でグリップをつまむように握って振ると、自然に右手を上にして振れる
<取材後記>
勝手に体が回って驚いた
今まで、なるべく体で打とうと思っていたんですが、むしろ腕だけを意識してドーンと振ったら、勝手に体が回ったのでビックリしました。完全に、初めての感覚でした。
月刊ゴルフダイジェスト2024年1月号より