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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.96「番手通りの距離を真っすぐ打つ練習、意味あるかな?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

どんなスポーツでも上達するためには練習が必要だ。もちろんゴルフも例外ではない。でも、とにかく体を動かせばいい、というものでもないような気がする。人よりたくさんクラブを振っても、それが本番で役立たなければ、単なる運動にすぎない。

そういった意味では、実のある練習をしている人は、残念ながら少ないように思う。ボクが感じているのは、みなさん、きっちり練習しすぎ。正統派すぎるわ~。

例えば、150Yのフルショット。それもみなさん、打席マットの白いラインやアライメントスティックを頼りに、とにかく真っすぐに打つ練習をするでしょ。これは、何になる?

実際ラウンドしていて、ティショットを除き、フルショットで番手どおりの距離を、真っすぐ打たなければいけない状況は、どれだけあるだろうか。もちろん皆無ではないけど、1ラウンドに数回じゃない?

例えば、残りが150Yだとしても目の前に木があったり、ディボットにハマっていたり、ピンをデッドに狙うよりも手前から転がすほうが安全だったり……。もっといえばフェアウェイから打つことが少ない日もあるわけでしょ。そう考えると、距離に対して、ぴったりな番手で狙うシチュエーションってほんと少ないように思う。だったらそれを極めるより、よくあるシチュエーションを練習すべきじゃない?

ボクはフルショットの距離を何球も何球も、続けて練習することはほぼない。その代わり、距離に対しわざと2クラブ大きいクラブで打つことがある。それも、同じところを狙うのではなく看板の右、左、奥、手前……と1球1球変える。さらにマットを縦にしたり、横にしたり、斜めにしてスパイスを効かせたりして。練習場だけでなくショートコースでも“ぴったりな番手じゃないクラブ”縛りでラウンドすることもある。

そんな番手どおりに打たない練習は、番手ぴったり練習よりナンボかコースで役に立つと実感している。木が邪魔でまともに狙えない状況でも、融通を効かせた打ち方ができる。ディボット跡に入っている場合もしかり。ぴったりな番手だとショートしがちだが、2番手上げてクリーンにヒットできればスピンで止まるし、ロフトが立っている分多少ダフっても転がるのでどちらにせよグリーンをとらえられるのだ。

とにかく一番難しいのは狙った距離に対し、ぴったりな番手で練習場どおりのスウィングをすること。

だったら日ごろから、どんなクラブどんな打ち方でもいいからとにかく狙ったところに打つ。そんな練習をおすすめしたい。番手を外しても、狙いは外さない。それがボクの練習法かな。みなさんもたまには脱・正統派練習試してみて。

同じ距離を打ち続ける練習ではなく、毎回狙いどころを変えて、狙ったところに打つ練習をしよう。球の打ち分けができるようになり、コースの様々な状況で役立つ


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年1月1日号より