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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.84 “頭を残す”は必要ない! 振りが格段にスムーズになる「ルックアップ」試してみよう

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

せんだみつお氏のギャグに「ウケない、金ない、仕事がない」というのがあるが、ボクのスウィングも「タメない、腰切らない、頭残さない」の「三ない」である。今回はそのうちのひとつ、頭を残さないについてお話したい。

ゴルフを始めてから一回も「ボールをよく見ろ」「ヘッドアップするな」と言われたことがない人は、まずいないだろう。ボクも最初の頃、頑張って頭を残す練習をしていた。なぜ、ヘッドアップがいけないかというと、打つ前に顔が飛球線方向を向くと上体が開いてスライスしやすくなるから。それはわかるのだが、インパクトし終わるまで頭を残すことなんて難しくてできない。それでも必死に頑張っていたら、首を痛めた。それで、ある時から「頭を残す」意識を捨ててみたんだ。そうしたら、あら不思議、急に真っすぐ飛ぶようになったのだ。

ご存じだとは思うが、「ヘッドアップ」と「ルックアップ」の違いは簡単に言うと、頭が上下動するかしないかの差。前者はインパクト前に顔と上体が飛球線を向き浮き上がる。それに対し、後者はクラブと体の回転と一緒に頭が回転する。動くか動かないかでいったら、どちらも動くわけだが、ルックアップはあくまで回転するだけなので上下動はしない。そこさえ留意すれば、頭を残す必要がないことを体感したボクは、現在、ルックアップ歴10年である。当然のことながら、世界で一番尊敬するプロゴルファーは、ルックアップの代名詞、アニカ・ソレンスタムだ。

彼女のスウィングはインパクトの瞬間、というかインパクト直前ですでに顔が飛球線方向を向いている。ボクのスウィングも動画で見ると、それに近い。インパクトの瞬間、ボールは見ていない。

頭を残すスウィングは一見、軸ブレしないように思うけど、頭は重いから、実はボールを見ようとすればするほど頭が下がってダフるんだよね。首に余計な力も入るから、筋も痛めるし、スウィングもぎこちなくなる。ルックアップのメリットはそれが解消されること。イメージは胸の面と顔の面がずっと一緒に回っている感じ。

長い時間をかけて頭を残すスウィングを固めてきた人に、いきなりルックアップしろといっても難しいかもしれないが、そういう人でもさすがにアプローチは、頭を必死で残そうとしていないのでは? だったら、その感覚でアイアンもFWも1Wも打ってみたらいいよ。首回りの筋肉をリラックスさせて、くるっとルックアップ! そうすればクラブもスムーズに振り抜くことができるはず。慣れてくれば、絶対こっちのほうが飛距離も出るから、ちょっと意識してやってみて。

最後にもう一度……ゴルフスウィングは「タメない、腰切らない、頭残さない」。せんだ氏のギャグのように語呂はよくないけど、練習前に唱え、実践してみよう!

ルックアップは悪い動きと思いがちだが、実はスムーズに振るためには効果的。インパクトの瞬間ボールから目を離すイメージでOK


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年9月25日号より