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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.83「ミート率」を上げるなら、インパクトよりテークバック!

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

小柄で力がそれほど強くない女子プロより飛ばないのは、どうしてなんだろう? と思っているオジサンは多いだろう。それは、やはりミート率の差だと思う。力の限りクラブを振り、ヘッドスピードを上げたところで、クラブの芯でボールをとらえなければ飛距離は伸びない。女子プロは男性に比べて力はないが、芯に当てる能力があるので飛距離が出るのだ。

ご存じのとおり、ミート率とはボール初速÷ヘッドスピードで算出される数値のこと。アベレージゴルファーだと1.35~1.39ぐらい。1.4以上あると上級者、1.5以上になると超人レベル(松山英樹選手とか)と言われている。ちなみに、ミート率ゼロは空振り。1.56が限界値とされている。ボクで平均1.45とか1.46。体調がイマイチでヘッドスピードが落ちても、飛距離は5ヤード程度しか変わらない。それは、やっぱりミート率がそこそこいいおかげだと思う。

ミート率はたった0.05高くなるだけで8~10ヤード飛距離がアップすると言われているので、飛距離を伸ばしたいなら、ヘッドスピードUPよりも、断然ミート率UPを目指したほうがいい。

自分のミート率を測ったことがない人は、ぜひ一度調べてみることをおすすめする。自分の体重を把握せず、ダイエットする人はいないでしょ。それと一緒。飛距離アップを目指すなら、まずはそこから。その上で、どうしたらミート率がUPするか考えてみたい。

ボクが重要だと思っているのがテークバック。ミート率なんだから、インパクト付近の動きが重要と思いきや、ボク的には断然テークバック、それも始動30センチが命だ。この30センチさえうまくいけば、芯でとらえられたも同然。



みなさんはテークバックの際、どこでクラブを上げている? 手、肩、腰、足……などいろんな意見があると思うけど、ボクが意識しているのは体幹だ。理由は手先を使いたくないから。やっぱり手は体のなかで一番器用なので、手を使うとスウィングにズレが生じ、ミート率が下がるように感じる。なので、手や腕の意識は極力封印! 体幹を使ってフェース面を真っすぐに保ちながら30センチ上げたら、あとは成り行きでOK。クラブなんて片手でもクロスハンドでも振れるくらいなんだから、手や腕の働きはさほど重要じゃないんだって。単に支えているだけ。そう思ってスウィングすると体の正面から外れることもないので、振り遅れることもないし、芯を大きく外すこともない。

だって、パットのテークバックに関してはみなさんまっすぐ丁寧に、という意識があるでしょ。アプローチも手首を固めて、体の回転でスウィングするでしょ。なのに、なんでドライバーだけヒョイって適当に上げようとするの? ドライバーもパターのように真っすぐ丁寧に上げたらええやん、って思うわ。次、練習に行ったらパターの延長だと思って丁寧にテークバックしてみて。たかが30センチ、されど30センチだよ。

体幹を使って始動することで、手や腕が余計な動きをしなくなる。安定したスウィングになり、ミート率アップが望める


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年9月11日号より