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【陳さんとまわろう!】Vol.238 バンカーショットこそフットワークが大切です

日本ゴルフ界のレジェンド、陳清波さんが自身のゴルフ観を語る当連載。今回のテーマは、「これぞサンドウェッジの出番」と陳さんがいうバンカーショット。今回は“バンカーショット”の大事を教えてもらった。

TEXT/Ken Tsukada ILLUST/Takashi Matsumoto PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/河口湖CC、久我山ゴルフ

前回のお話はこちら

ラフの中ならヘッドが抜ける余裕がある

――前回、バンカー越えの砲台グリーンにサンドウェッジでボールを打ってもらいましたが、さすが陳さん、ワンピンに寄せましたね。

陳さん グリーン周りからのアプローチで私がサンドウェッジを使うのは、ほとんどそういう状況のときだけですけど、ちょっと上手かったでしょ(笑)。それ以外でサンドウェッジを使うのはバンカーショットのとき。バンカーにはボールを打ち込まないのがいちばんですがね、そうもいかないでしょ。だから練習はやっておく。バンカーショットでいちばん大事なことってなんだか知ってる?

――ボールの手前にヘッドを打ち込んで、砂の爆発によってボールを飛ばす、ということですかね。

陳さん ま、それもそうですがね、そのために必要なことがあるわけよ。それはフットワークを使うということなんだねえ。

――えっ、そうなんですか? 

陳さん そうですよ。それも、ものすごく使うんだ。どのショットよりね。

――バンカーショットは手打ちでいいと教わってきましたけど……。


陳さん それは間違いだ。手打ちでいいなんて、試合で戦っていない人の言うことだよ。とくにアメリカへ行って戦ってきたプロはそんなこと教えないはず。向こうの選手で手打ちで打っている選手は一人もいないからね。だって、手打ちで打ってボールが上がるはずないんだ。距離も上手くコントロールできませんよ。だからみんなフットワークを使うし、それでピンそばに付けるようなことを平気でやれているわけね。

――う~ん。

陳さん 何唸ってるの(笑)? 少し考えてみて。バンカーショットでは、ふつうのアプローチショットよりクラブヘッドを深く打ち込んでやらないといけないわけよ。さっきアナタが話したようにボールを直接打たないで、ボールの下にヘッドを打ち込んでやらなくちゃいけないからね。するとダウンブローの度合いを強くしてやらなきゃいけない。そのためにはフットワークがなけりゃ成立しないじゃない。そうでしょ。

――う~ん、確かに。

陳さん またフットワークがあるからインパクトではレイトヒットができるわけ。手の位置よりヘッドのほうが後。この位置関係があるからボールの下にヘッドを打ち込めるんだねえ。手打ちで打ったら手よりヘッドのほうが先に出ていきますよ。これじゃバンカーショットは不可だ。

――では、陳さんのバンカーショットを見せていただきましょうか。(河口湖CC東コース8番パー5・Aグリーン左のバンカー)

陳さん はい。ここはアゴの低いバンカーですがね、低いからといって軽く打っても大丈夫と考えて打ちにいったら、ま、失敗だわね。砂は抵抗が大きいですから、軽く打ったらザックリやることが多いはず。だから砂に負けないようにしっかりヘッドを打ち込んでやることが大事よ。

――ピンまでの距離は5メートル弱、エッジからピンまで2.5メートルぐらい。

陳さん 距離の調節はフォロースル―の大きさでやりますがね、ここは近いですから打っておしまいにしていいはずです。(ショットするとボールはピン手前1メートルほどへ)

――ダウンスウィングで右ひざが左へスッと動きましたね。

陳さん そうでしょ。フットワークですよ。近い距離でもいまのように使わなきゃいけないんだ。遠い距離ならもっと使う。手打ちでいいなんてねえ、私にはできません。

陳清波

ちん・せいは。1931年生まれ。台湾出身。マスターズ6回連続出場など60年代に世界で日本で大活躍。「陳清波のモダンゴルフ」で多くのファンを生み出し、日本のゴルフ界をリードしてきた

月刊ゴルフダイジェスト2023年7月号より