【ゴルフの急所】Vol.29 フェアウェイウッドは“ダフらせて”打つ
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30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC
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フェアウェイウッドは払うように打てと言われますが、それを意識してからダフることが多くなってしまいました。フェアウェイウッドを打ちこなすコツがあったら教えてください(吉野幸男さん・54歳・HC4)
質問者の方は、ダフってしまうことに悩んでいるようですね。でも、実はフェアウェイウッドを打ちこなすコツは、少しダフらせることにあります。
フェアウェイウッドが「払うように打て」と言われるのは、緩やかな入射角度で、ボールの手前からソールを滑らせて打つためです。滑らせるということは、ソールを地面に着けるということ。つまり、フェアウェイウッドというのは、そうやって少しダフらせて打つクラブなのです。
実際、ボクもフェアウェイウッドを使うときには、クリーンに打つイメージはまったくありません。ボールの手前の地面にソールをワンタッチさせてからインパクトを迎えるような感じで打っているのです。
ただし、ダフらせて打つためには、ある程度緩やかな入射角度でスウィングする必要があります。クラブが下から入っていたり(アッパー軌道だったり)、上から入りすぎていたりすると(ダウンブローが強いと)、ソールが滑らず、飛距離を大きくロスしてしまうので注意してください。
質問者の方も、このどちらかの軌道で失敗していると思われます。ですから、まずは入射角度をいろいろ変えて打ち(いつもより上から入れたり、横から入れたりして)、症状が改善されないか試してみるとよいでしょう。
練習をするときには、次の4つのポイントに注意します。
まず大切なのは、あまりきっちり打とうとしないことです。きっちり打とうとすると、どうしても球に当てにいく動きになります。すると、クラブのリリースが早くなり、ヘッドが上から入ってしまうのです。どちらかといえば、ボールの手前の地面(アドレスでヘッドを置くあたり)に、ソールをバーンと入れていく、そんなアバウトなイメージで打っていくとよいでしょう。
このとき、球を体の中心よりも左に置くことも大切です。ボクは、中心よりもヘッド1個ぶん程度左に置いていますが、フェアウェイウッドが苦手な人であれば、それよりも左。ドライバーと同じくらいの位置に球を置いて打ちます。球を中心より右に置くと、ダフらせたときにソールが滑らないので注意してください。
また、ダフらせて打つときには、いつもより左手をしっかり握っておくようにします。これはダフらせた瞬間にフェースの向きが変わるのを防ぐためです。
そして、緩やかな入射角度で打つためには、体を止めて腕を振るのではなく、下半身の動き、体の回転を止めずに、フィニッシュまで振り切ることが大切です。
これらのポイントを押さえて練習してもらえば、フェアウェイウッドの苦手意識は解消できるのではないでしょうか。
Point 1
ダフらせて打つ
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ダフらせて打つときは、ボールの手前の地面(アドレスでヘッドを置くところ)に、ソールの真ん中あたりを入れていくのがポイント。リーディングエッジから入れていくと、ヘッドが地面に刺さってしまうので注意。
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リーディングエッジから入れるとソールが滑らない
上から入れすぎたりすると(ダウンブローが強いと)リーディングエッジから入ってしまうので、ソールが滑らない
Point 2
どちらのミスが多いかチェックしてみよう!
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体重が右に残った状態でインパクトを迎えると、軌道がアッパーになり、ヘッドがかなり手前に落ちてしまう。逆に、ダウンブローにクラブを上から入れすぎると、ヘッドが地面に刺さってしまう
Point 3
球を体の中心より左へ置く
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ダフらせて打つためには、球を体の中心よりも左に置くことが大切。はじめはドライバーと同じくらい球を左に置いて練習してみよう。球の位置が右すぎると、ダフらせたときにヘッドが刺さってしまうので気をつけたい
Point 4
ダウンスウィングからフォローにかけて下半身と体の回転を使う
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フェアウェイウッドは、なるべく緩やかな入射角度で打ちたい。そのためには、フィニッシュまで体の回転を止めずに打つことが大切。ダウンスウィングからフォローにかけて下半身と体の回転を使うほど、入射角度は緩やかになるからだ
月刊ゴルフダイジェスト2023年7月号より