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本格オープン

最強の20歳・古江彩佳。曲がらない秘訣は“軸ブレ”ゼロのスウィングにあり

週刊ゴルフダイジェスト
2021.02.24

PHOTO/Shinji Osawa、Hiroaki Arihara

2019年にアマチュア優勝を果たし、2020年も14試合で3勝と、無類の強さを誇る古江彩佳。その強さの秘密は、どんなときでも曲がらないショット力にある。ナショナルチームのテクニカルコーチを務める岩本砂織プロに、スウィングを分析してもらった。

解説/岩本砂織
LPGAティーチングプロA級。横浜元町のSALTO GOLFを拠点にレッスン活動を展開。ナショナルチームのテクニカルコーチを務め、渋野日向子、古江彩佳など多くのトップ選手を見てきた

ホームランバッターと同じ
股関節の使い方

古江選手のスウィングで感じるのは、軸ブレがまったくないこと。そのため、インパクトの精度が高く、球が曲がりません。これは、昨年のフェアウェイキープ率75.62%(4位)という数字にも表れています。

軸がブレないスムーズな回転を生み出すカギは、たとえば、ひざを正面に向けたままトップまで上げられる柔軟性の高さなどもありますが、関節の使い方のうまさ、とくに股関節の使い方にあります。

ビジネスゾーンの後半、つまりインパクトから左腕が水平になるポジションまで、股関節の動きが止まります。写真で見てもわかるように、腕は約90度動いているのに、腰の回転角度はほとんど変わっていません。実際には、腰をわずかに戻すツイストの動きさえ入っています。これは、往年の王選手など野球のホームランバッターと同じ動き。スウィング軸をブラすことなく、インパクトゾーンを長くすることができます。ただし、これは一朝一夕にできる技術ではなく、古江選手の日々の練習の賜物といえます。

フォローにかけて
腰の回転は止まったまま

インパクトからフォローにかけて、腕は大きく動いているが、腰はほとんど回転していない。これにより、軸をブラさずに長いインパクトゾーンをとることが可能になる(代表撮影:上山敬太)

>>古江彩佳のスウィングを別ウィンドウでじっくり見る

直ドラ練習でインパクトの精度アップ

「直ドラ」で打ち、同じ場所でティーアップしてドライバーを打つ練習をする古江。直ドラは上下の打点が極めてシビアになるため、正確なインパクトが要求される

アブソーバーのように
ひざを柔らかく使っている

古江選手のショットでもっとも驚くのは、ショートアイアンやウェッジの精度です。ナショナルチーム時代から、セカンドショットの上手さは群を抜いていました。その理由は、スウィングを見るとわかります。
 
古江選手はひざを柔らかく使うのが特徴です。ひざを伸ばし気味に、腰高に構える選手が多いなか、両ひざとも少し曲げ、重心を下げて構えます。
 
ゴルフコースに真っ平らな場所はありません。この写真のラフは、ややつま先下がりの左足上がりですが、古江選手はこういう微妙な傾斜に対応する能力に優れています。まるで自動車のショックアブソーバーのように、両ひざのクッションを利かせています。インパクトでもひざが伸び切ることはありません。
 
これにより、さまざまなライや傾斜で、インパクトの上下のズレが最小限に抑えられ、ショートアイアンやウェッジの高い精度につながっています。

左ひざが決して伸びない
古江彩佳の極上アイアン

2021年2月23日号より