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【肩甲骨周りが硬い人の飛ばし方】#3「犬の散歩ドリル」で手首が柔らかく使える!

肩甲骨が硬くてもヘッドを走らせるには、手首のスナップが重要だと森守洋コーチは教えてくれた。ではどうすれば手首を柔らかく使うことができるのか。吉本舞コーチに教えてもらおう。

PHOTO/Hiroaki Arihara Illust/Takanori Ogura THANKS/東京ゴルフスタジオ

教える人/吉本舞(右) USLPGAティーチング&クラブプロフェッショナルの資格を有する東京ゴルフスタジオインストラクター。自身のSNSで公開するレッスン動画も好評だ
硬い人代表/加瀬健史さん(左) 高校時代からゴルフを初め、30代半ば頃から飛距離が落ちてきたという44歳。現在はHC4でショット精度に自信はありつつ「昔の飛距離を取り戻したいです」と本人

●CONTENTS●
1. 肩甲骨周りの柔軟性をセルフチェック

2. ヘッドを走らせるカギは「手首のスナップ」
3. 手首が柔らかく使える「犬の散歩ドリル」

手首を柔らかく「引っ張り上げる」

吉本 固まった状態から始動するのは難しいので、手首を柔らかく使うために必要となる手とヘッドの“時間差”は、始動時に作ります。また、始動時に手首を柔らかく使うことで、リストコックが早くほどけたり、ひじが曲がったりする動きが起こりにくくなります。コツとしては“犬を散歩するように”ヘッドを引きずってください。こうすることでフェースが極端に開きすぎなくなりますし、クラブの重心を感知しやすくなり、自然と軌道が安定してきます。さらに、手元から引っ張ることでひじも伸びるので、良いことづくめなんです。ここで大事なのはスウィング中、常にグリップを引き続けること。せっかく引っ張っても切り返しで止まってしまうと、せっかく作った時間差がなくなります。クラブの慣性力を感じ続けてください。

加瀬 グリップエンドから引っ張る感じですか。確かに小さな動作でヘッドが大きく動き、叩けそうな感じがします。

<加瀬さんの問題点>
ヘッドが最初に動き出しフェースが開きすぎていた

「体を回さないと」という意識が強く、肩から回し始めていた加瀬さん。ヘッドの重みを感じながら引っ張る動作ができず、テークバックで開きすぎたフェースがインパクトで戻らない事態が多発した


動き出しの順番は体→手→ヘッド

時間差を作り手首を柔らかく使うには、動き出しの順番も大切。始動時に足から動作が始まり、体→手→ヘッドの順番で動くのが基本だ。

Drill
押さえたヘッドを始動と同時にパッと放す

協力者が必要だが、アドレスでヘッドを押さえ、始動とともに放すドリルも効果的。「抵抗を感じることで、“常にグリップが先”というイメージを持ちやすいです」(吉本)

※安全に注意して行ってください。

フォローの位置からスウィング

まだちょっと上手くできない加瀬さんに、吉本コーチがもう1つのドリルを教えてくれた。

「これまで“引っ張る感覚”がなかった人は、フォローの位置からスウィングを始めてみるのも良いです。大切なことは、常にグリップを引いている感覚。これが身につくと時間差も出てきて、小さな動きでしっかり打てるようになります」(吉本)

「当たりが分厚くなりました!」

フォロー(左から3コマ目)でヘッドが大きく動いている。「これまでいかに体を硬く使っていたか理解しました。力を抜かないと時間差ができませんでしたが、だんだんテークバックで脱力できるようになり、逆に力の“入れどころ”も明確にわかるようになりました」

週刊ゴルフダイジェスト2023年4月11日号より