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【ゴルフの急所】Vol.27 「大ダフリ」を直すにはどうしたらいい?

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

プロや上級者のアイアンショットを見ると、多少噛んでも大きくダフることはありません。しかし、私はたまに球が数メートルしか飛ばない大ダフリが出てしまいます。どうしたらこれを直せるでしょう?(風間裕介さん・45歳・HC26)


アイアンを大きくダフるのは嫌なものです。ボクもアマチュア時代、同じ経験をたくさんしてきたので気持ちはよくわかります。

基本的に、大きくダフってしまうパターンは2つ考えられます。1つは、ダウンスウィングで右手を使いすぎて、クラブのリリースが早くなり、ヘッドが手前に垂れてしまうパターン。もうひとつは、球に上手く当てようとして体の回転(左サイド)が止まり、クラブの抜ける場所がなくなって、ヘッドが手前に落ちるパターンです。

とくに、右手の使いすぎは、ほとんどのアベレージゴルファーに当てはまる症状だと思います。右利きの場合、右手は器用なので、不安や恐怖、欲などが出ると、すぐに反応してしまうのです。


大きなダフリを解消するには、何よりもこの右手の使いすぎを直す必要があります。左サイドでリードするスウィングを作り、体の回転を止めずに、フィニッシュまで振り切る感覚を覚えるのです。不器用な左は、いろいろなことができません。そのぶん、左で正しいスウィングを覚えれば、その動きを忘れにくいし、同じ動きがしやすくなるのです。

具体的には、左手1本でクラブを持ち、小さな振り幅からスウィングを覚えます。PWや9番アイアンなどの短いクラブを使い、腰から腰、胸から胸、肩から肩の振り幅で、バランスよく、同じ軌道で安定して振れるようになるまで練習をするのです。

ポイントは、切り返しでできた手首の角度をキープしたまま、クラブをリリースせずにスウィングすること。フィニッシュまで下半身の動き、体の回転を止めずに振り切ることにあります。基本的に、プロはみんなこの動きで打っています。これができるから大きくダフることがないのです。

きっと、最初のうちは、球に上手く当たらない人も多いと思います。ですから、まずは、5~10回ほど素振りをして、「いい動きができた」と感じたら球を打つようにしてください。素振りをするときには、空中で振るのではなく、マットを薄く擦って同じ音を出すとか、低めのゴムティーをパチンパチンと打つと、軌道や打点が安定するでしょう。

この練習で、左サイドでリードする感覚、体の回転を止めずに振り切る感覚が身についたら、確実に大きくダフることはなくなります。繰り返しますが、右手の使いすぎがダフリの一番の原因です。右手は添えているだけで十分。右手は使わなくても勝手に使われる。そのくらいの意識でやってみてください。

STEP 1
小さな振り幅でインパクトゾーンの動きを覚える

左手1本でクラブを持ち、小さな振り幅でインパクトゾーンの動きを覚える。切り返しでできた手首の角度を変えず、フィニッシュまで体の回転を止めずにスウィングするのがポイントだ(※左利きの人は右手1本で行おう)。

STEP 2
バランスよく同じ軌道で振る

使用クラブはPWか9番アイアン。腰から腰の振り幅なら30ヤード、胸から胸なら50ヤード、肩から肩なら70ヤード以下が目安。飛ばそうとするのではなく、バランスよく、同じ軌道で振ることを目標にしよう。

まずはここから
球を打たずに素振りでいい動きを作る

上手く当たらないうちは、5~10回素振りをしてから球を打つ。素振りはつまらないという人も多いが、いい動きができていないうちに球を打つと、ボールにアジャストして、クラブをリリースする動き(ダフる動き)が直らないので注意する

月刊ゴルフダイジェスト2023年5月号より

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