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【ゴルフの急所】Vol.26 スウィング改造中のラウンドはどうしたらいい?

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

長年悩んだスライスを矯正しようと、大幅なスウィング改造に取り組んでいます。その甲斐もあって、練習場ではドローも打てるようになったのですが、なかなかスコアがまとまりません(市川修二さん・48歳・HC22)


まず、スウィング改造中は、スコアをつけずにラウンドすることも大切だと思います。いいスコアを出すことよりも、今やろうとしているスウィングをコースのなかでやり切ることをテーマにプレーをするのです。

時間をかけてしみついた悪い動きというのは、直ったと思っても、またすぐに現れるものです。それを修正するためには、実戦のなかで新しい動きを成功させるという経験を積んでいく必要があります。

ただ、「練習場ではできてもコースではできない状態」が長く続くとしたら、そのスウィングは自分に合っていない可能性もあります。その場合は、プロのアドバイスを受けたほうがよいでしょう。正直、スウィング改造をひとりでやり切るのは、やさしいことではありません。そこはプロに頼ることも大切だと思います。


さて、スコアをつけずにラウンドすると言いましたが、いつまでもスコアをつけないわけにもいきません。では、スコアをつけるときにはどうすればいいのかというと、意識するポイントをひとつに絞るのです。

たとえば、ドラムを叩くとき。上手い人というのは、手元の動きは意識していても、足の動きは意識していないのだそうです。足は、リズムを取っていると勝手に動くのだとか。ところが、未経験者は手も足も頭で考えながら動かそうとしてしまう。だから上手く叩けないというわけです。

これはゴルフも同じです。スウィング改造をしていると、体の使い方やクラブの動きなど、チェックポイントをいくつも考えながら打とうとしがち。でも、そんなことをしていたら体がスムーズに動くはずがありません。だからこそ、ラウンド中は意識するポイントを1つに絞ってスウィングすることが大切なのです。

また、スウィングを改造するときには、一気にフルモデルチェンジするのではなく、3~5年計画でマイナーチェンジを繰り返していくことも大切だと思います。そのほうが考えることは少なくなりますし、スコアを大きく崩す危険も減らせるでしょう。

最後に。質問者の方は、「長年悩んだ」とおっしゃっていますが、そのスウィングも完全に否定する必要はないと、ボクは思います。たとえば、必ずスライスするのであれば、それは決して悪いスウィングではないからです。

すべてを変えるのではなく、使えるものは残しておく。スウィング改造をするときには、そういう意識を持っておくことも大事だと思うのです。

POINT1
スコアをつけずにラウンドしてみる

スウィング改造中は、スコアをつけず、新しい動きをコースのなかでやり切ることをテーマにラウンドすることも大切。スコアを意識して、元の動きに戻ってしまったら元も子もないので注意する

POINT2
意識することはひとつに絞ろう

「丹田(へその下あたり)を右に向けながらテークバックしよう」とか、「フェースを地面に向けながら(シャットに)上げていこう」というように、注意すべきところが2つ以上あったとしてもラウンドでは意識するところをひとつに絞ってスウィングする。2つ以上のことを考えていると、スムーズにスウィングできないので注意しよう

POINT3
すべてを変えるのではなく、使えるものは残しておく

スウィング改造というと、体の動きもクラブの動きもすべて変えてしまおうとしがち。でも、人にはやりやすい動き、自然にそうなってしまう動きがある。その動きで出る球は、自分にとって打ちやすい球なのだから、それは自分の武器として残しておくとよい

必ずスライスするのであれば、それは決して悪いスウィングではない。むしろ、その球筋を生かした攻め方をすればいいだけだ

月刊ゴルフダイジェスト2023年4月号より

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