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【江連忠のPROJECT E】Vol.233 バイロン・ネルソン「無駄な動きが一切ないマシーンのようなスウィング」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、本誌写真部 THANKS/ETGA東京校

前回のお話はこちら


●今月のレジェンド●

バイロン・ネルソン

1912年米国生まれ。通算52勝。1945年は11連勝して平均ストローク68.3という記録を持つが、34歳という若さで引退し牧場を経営した


上半身は締まりがあり
下半身は柔らかく使う

ベン・ホーガン、サム・スニードと同じ年の生まれでライバルとして活躍し、1945年にはPGAツアーで11連勝という大記録を成し遂げたネルソンは、無駄な動きがなく、再現性の高いスウィングが特徴で、まるでマシーンのようでした。自分のできる範囲のことを超えないスウィングだからこそ、完璧なプレーンやフェースコントロールが可能で、後に作られた試打テスト用のスウィングマシーンは、ネルソンのスウィングを参考に開発され「IRON Byron(鉄のバイロン)」と呼ばれたほどでした。


トップはコンパクトで締まりがありますが、ニーアクションは積極的に柔らかく使っています。右ひざを左に寄せていきながら体重移動をして同時に腰を鋭く回しています。

このときに右ひじは内側に絞られて右のかかとは粘っているので、上体が起き上がることなく、むしろ下がってインパクトに圧力がかかっています。飛ばそうと無理はしていませんが、できる範囲の最高のスウィングでショットの精度を高めていました。

当時の道具は球が曲がりやすかったので”持ち球”で戦うのが当たり前でしたが、ネルソンはほぼストレートボールを打っていたというのもうなずけるスウィングです。

ネルソン’s Swing
右ひじの絞りと左腰の回転はセット

インパクトで頭が下がって圧力を生む動きは、右ひじの絞りと腰の回転があるからこそ起こる現象。腰が止まって腕が体から離れる人は上体が起き上がってしまう

ネルソンの系譜を継ぐのはこの選手

コリン・モリカワ

無理なことはしないで正確性勝負
ライバルがいくら飛ばしても影響を受けずに自分の持っている才能で戦うという面で、ネルソンと同じタイプのプレーヤー。ニーアクションはネルソンほど大きくないが、強く使っている

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2023年3月号より

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