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【頑固オヤジ】Vol.149 「5番アイアンの代わりにUTを入れる場合、どういう基準で選べばいい?」

東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回は「UTの選び方」をアドバイス。

ILLUST/Kochi Hajime

前回のお話はこちら

Q. ユーティリティの
ヘッド形状の選び方は?


アイアンを6番からにしようと思い、UT選びで悩んでいます。キャロウェイの『UW』という、ウッドとアイアンの中間的なモデルが気になっています。形状とかロフトの選び方を教えてください。(59歳・HC12・自営業)


グリーンを狙う高さが出せるか

明けましておめでとう。今年もコロナ禍と付き合いながらの1年になるのかな。トーナメントとかは大変だろうけど、ゴルフ場とか練習場は“密”にならないことが認識されて繁盛してるようだし、まあボチボチ、てところかな。

「今年最初の読者からの質問が来ました。5番アイアンを抜いて、UTを入れたいそうですが、ヘッド形状とかロフトの選び方を知りたいそうです」

担当さん、新年の挨拶を兼ねて質問に来たよ。

「チューンの話じゃねえのかよ。ショップの店員に聞くようなことだよな」

「まあ、そう言わずに。私もUT選び、よくわからなくて。最近、ウッドに近い形状も増えてきていて、この質問の方もキャロウェイの『UW』が気になっているそうです。ショートウッドと比べると、どちらがいいんですかね?」

「要は重心深度の問題。ヘッド後方が膨らむほど重心が深くなるから、高さが出やすくなるし、つかまりも良くなる」

「じゃ、ショートウッドのほうがやさしいわけですね」

「つかまりやすい、てのはやさしいとは限らねえよ。引っかけのミスが出やすくもなる」

「ウーン、どう判断すれば?」


「UTはグリーンを狙うもの、と考えれば、高さが出やすいのが最大のメリットになる。で、つかまりがそこそこ適度なものを選べばいい。だから、それを重心深度の違いで選べばいいのさ」

アイアン型とかウッド型とかよりも、まず重心深度をチェックする。一番いいのは実際に試打してみることだけど、まずは上がりやすく見えることが大事だな。

ロフト26度が止められる目安

「上がりやすく見える、というポイントは?」

「構えたときにフェースが見えるか、だよ。ロフトが少ないと見えにくいだろ。まあ、21度ぐらいでも打てるだろうけど、グリーンを狙うには結構厳しいはず」

「オヤジさんのオススメは23度以上、ぐらいですか?」

「ヘッド形状に関わらず、グリーンにキャリーさせて止めることを考えるなら、26度以上だね」

ルールでも、フェースの溝規制は25度まではおとがめなし。つまり、25度以下は角溝にしてもそんなにスピン量を増やせないし、止まりやすくはならない、てことさ。

「低重心とか深重心とか言ってもやっぱり上がりやすさ、止めやすさにはロフトが一番効くんだよ。長いアイアンの代わりにグリーンを狙うなら、まずは26度のUTを探す。で、ヘッド形状でつかまり具合がちょうどいいのを選ぶ。で次にその前後の番手を加える、というのが賢い選択だと思うよ」

「23度とかでも難しい?」

「そこは、ヘッドスピードとか、重心深度、フェースプログレッションの違いとかで変わる部分もある。少しぐらいランが出てもいい、という選び方もあるしね」

5番アイアンを抜くようなアマチュアなら180ヤードをドン、ビタなんて止めるつもりはないよな。トントン、コロコロぐらいなら御の字だろ(笑)。

「ヘッドスピード的にスピン量を増やすのは無理だから、高く出せるのが得策になる。距離を伸ばしたいなら、ロフトの小さい番手を選ぶよりも、ロフトの大きいヘッドで、少し長尺化するほうがいい」

「長い26度と、短い26度を組み合わせるんですか?」

「それでもいいし、長いほうは、短いのと同じモデルで長くするとか、プロギアの『Q』みたいにヘッドのボリューム感を変えると、違和感なく使えると思う」

アイアン代わりにグリーンを狙うUTなら、大きいロフト優先で考える。鉄則だよ。

月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より