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【ギア選びのウソホント】Vol.44「 SIM」は4種類。いろんな素材を使う意味とは?

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話はこちら

テーラーメイド「M1」以降、異素材を組み合わせたコンポジットヘッドや可変ウェートが主流になりました。同社最新の「SIM2」は、チタン(フェース)、カーボン(クラウン&ソール)、アルミ(ボディ)、スチール(バックウェート)と4種類の素材を組み合わせてヘッドが成形されています。

ちなみに、少しマニアックになりますが、同じ容積のチタンの重量を1と考えると、カーボンは0.3、アルミは0.5、そしてスチールは1.7で、アイアンなどのインナーウェートでよく使われるタングステンはなんと4.3という重さになります。これだけ異なる比重の素材を使用すれば余剰重量が大量に生まれ、メーカーが理想とする重心位置のヘッドを設計するのは単一素材で成形するよりも容易だということがわかると思います。

ドライバーの場合はとくに、異素材を使用していることが目に見えてわかり、かつ重心位置を自分で調整可能なので、異素材の恩恵を受けていることが実感しやすいと思います。そして異素材をより多く使用しているクラブは実はパターで、重心位置だけでなく打感の変化にまで大きく影響を及ぼしているのです。それについてはまた次週お話しします。

各素材の比重(kg/㎤)はカーボン=1.5~1.8、アルミ=2.7、チタン=4.5、スチール=7.9、タングステン=19.3となっている

堀越良和

ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号より