Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • ギア
  • 【ギア選びのウソホント】Vol.43 いまや主流となったカーボンクラウン。その元祖は……?

【ギア選びのウソホント】Vol.43 いまや主流となったカーボンクラウン。その元祖は……?

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話はこちら

クラウンやソール部にだけカーボン素材を使用したドライバーは外ブラの専売特許のように思えますが、このカーボンクラウンの元祖もやはり日本。プロギアが03年に発売した「デュオ」というモデルです。


しかし、この「デュオ」がカーボンクラウンにした一番の理由は、いまのような余剰重量を生み出すことによる“ヘッドの低重心化”ではなく、あくまでも打ち出し角および初速の向上でした。

理屈はこうです。素材としてカーボンはチタンよりも剛性を低く設計することができるので、カーボンクラウンにするとクラウン部のたわみ量がチタンを使用している箇所よりも大きくなります。したがって、インパクト時にヘッド上部が下部よりたわむことになり、結果ボールが上がるということになるのです。

また、現在のドライバーとの違いはヘッド体積にもあります。「デュオ」は340㏄だったので、いま主流のクラブに比べるとオフセンターヒット時の性能ではやや劣っていたのではないでしょうか。

このあとカーボンクラウンが日の目をみるのは2015年のテーラーメイド「M1」と、約10年かかります。その間にヘッド体積は460㏄にまで膨れ、10gと15gの可変ウェートも付きました。つまりこれが、異素材複合による低重心化に踏み切った第一歩といえるのはないでしょうか。

初代「M1」はD・ジョンソンの全米OP初優勝に貢献

堀越良和

ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より