【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.223「ミニドライバーはたしかに打ちやすいけれど、シニアになると…」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Yasuo Masuda
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- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Takanori Miki >>前回のお話はこちら 最近のドライバーの進化というんはすごいものがありますね。460㏄の大型ヘッドで、10Kとかいうて、慣性モーメントが最大級に大きく、ミスに強くて曲がら……
今週もドライバーのお話です。
最近、ミニドライバーとか言うて、340㏄くらいの小ぶりのドライバーが出てきてます。打ってみましたが、打ちやすいけれど、やっぱり460㏄の大型ヘッドと比べたら飛距離は落ちますね。本当は、僕は形状的には小さめのヘッドが好きだし、今パーシモンのドライバーで試合やったらめっちゃ面白いんやないかと思っています。
でも現実的な話となると進化したものを使いたいというか、やっぱりドライバーに求めるものは飛距離が一番で、この年になると余計にそう思います。
僕は、長さが46インチで小さなヘッドやったらヘッドが遅れそうな気がするんですよ。それが460㏄くらい大きいと46インチでもヘッドが近くに見えるから、インパクトで遅れず間に合います。見た目のそういう効果はあるんでしょうね。
あとは、長くてヘッドが小さいとミート率も下がるいうデメリットもあるんで、現在のミニドライバーと言われるもんは43.5インチの長さが多いみたいです。
たとえば、今のプロの若手なんかが長尺のドライバーを使うと、そこはヘッドスピードがむちゃくちゃ出るからミスが大きく結果に出てしまう。最初に、ドライバーに求めるものは飛距離が一番と言うたけれど、ゴルフは結局はポジションを取るゲームなので、方向性が大事になってきます。
その点、ミニドライバーのシャフトは、45.5や46インチのドライバーより約2インチ短いからミート率が上がるし、ヘッドが小さいからフェースの開閉がしやすいのでコントロールショットがしやすくなるいうメリットがあります。
アメリカのPGAツアーでミニドライバーを使うプロがいるんは、そういう背景があるようです。つまり、飛距離が十分ある選手にとっては、真っすぐ飛ぶドライバーより、コースに応じて曲げるコントロールショットができるドライバーのほうがええということなんでしょう。
ただ、シニアになって年齢がいってくると、これが逆転してきます。曲がり幅がどんどん狭くなって方向性はよくなってくる一方で、飛距離が出なくなってくる。そうなると長いシャフトで大きなヘッドで飛距離が欲しくなる。大型か小型か、どちらが自分に合うか、試してみるんもいいと思います。

「結局また、自分に合うクラブを探す話になりました。何度でも話をしまっせ」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月29日号より