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【ギア選びのウソホント】Vol.189「10Kドライバーはアベレージ向けのお助けクラブではない」

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話はこちら

 今年の上半期、新作モデルとして話題となった「10K」ドライバー。上限が5900g・㎤のヘッド左右慣性モーメントと、ヘッド上下の慣性モーメントの合計が1万g・㎤を超える巨大な慣性モーメントのヘッドを持つドライバーです。この大きな慣性モーメントが、打点ミスによるヘッドのブレを抑え、飛距離のロスを防いでくれると、各メーカーは謳っています。

ただ、この「10K」の恩恵を一番享受できるのは、ツアープレーヤーだと思います。慣性モーメントが巨大なヘッドは、ブレにくくミスに強いメリットがありますが、逆にいえば「フェースが開けば開いたまま」「フェースが閉じれば閉じたまま」というようなコントロール性の難しさの部分があります。しっかりと円を描く効率いいスウィング軌道を持ち、クラブをコントロールできるトッププレーヤーにとっては、少々打点がズレても飛距離がロスしない「10K」ドライバーはものすごく強い武器になると思います。ただ、カット軌道でフェースがオープンになりがちのスライサーにはどうでしょう? ヘッドの特性から、より曲がり幅が大きくなる可能性もあります。「10K」は決してアベレージゴルファーの“お助けクラブ”的なものではないのです。

堀越良和

ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2024年7月2日号より