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軟鉄鍛造アイアンは打感がいいっていうけど、そもそも「軟鉄」ってどんな素材?【明日使えるゴルフ用語】

普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。


軟鉄


ギアの話になると必ずと言っていいほど出てくる言葉「軟鉄」。言葉の定義からいうと、「軟鉄」というのは、不純物である炭素の含有率が少なく、比較的純鉄に近い鉄、ということになる。

素材の性質として軟らかく、展延性(曲げ伸ばしのしやすさ)があるのが特徴……だが、ゴルファーにとっては、軟鉄鍛造アイアンの材料、といったほうが、通りがいいだろう。

実は、軟鉄にも種類があり、アイアンヘッドの素材として主に使われるのは、炭素含有率がわずかに多い、「軟鋼(mild steel)」と呼ばれる、軟らかい炭素鋼である。軟鉄アイアンの素材例でいうと、S25CやS20Cが挙げられる。

軟鉄は、繰り返し曲げても折れないので、製品になってから、ライ角やロフト角を調整できるという利点を持っている。身長や体格、スウィングに合わせて調整することで、より自分に合ったスペックで使用することができる。

反面、鉄なので錆びやすく、クロムメッキなどの防錆処理が不可欠だが、それによってせっかくの素材の軟らかさを生かしきれないという側面もある。

ちなみに、軟鉄アイアンは、「打感がいい」ということで、アイアン素材がステンレス主流に変わった現代でも、長年愛用しているゴルファーは多い。

ただし、このフィーリングの違い(軟鉄とステンレス)は、実際はとても微妙なもので、仮に目隠ししてテストした場合、トッププロでもほとんど区別がつかないともいわれている。

それでも、人間は先入観をプラスに転化することができるので、「軟鉄鍛造=打感がいい」という意識があると、気持ちよくスウィングでき、それがいい結果につながるということは十分にあり得る。今のアイアンに満足していないゴルファーは、ぜひ一度軟鉄アイアンを試してみてはいかがだろうか。