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【ギアラボ】内部構造が番手によって全部違う! テーラーメイド「P790」アイアンが大進化。その狙いとは?

ギアラボ
2023.09.21

幅広いゴルファーにマッチするスタイリッシュなアイアン、テーラーメイド『P790』がモデルチェンジ。従来もやさしさ、飛距離、打感を高次元で融合していたが、その性能がさらに向上。それを実現したのは、あふれんばかりのテクノロジーが詰め込まれた内部構造にあった。

PHOTO/Hiroyuki Tanaka、Hiroaki Arihara、Getty Images THANKS/プレミアムワールドゴルフ板橋

テーラーメイド P790 2023 アイアン スペック

スコアにつながる性能を徹底的に追求

マッスルバックのようなシンプルなルックスながら高い飛距離性能とやさしさを兼ね備えた中空アイアン『P790』。腕前を問わず幅広いプレーヤーから人気を集めているが、新登場の4代目は、これまでで最も大きな進化を遂げたと言っていいだろう。

『P790』の特徴でもある多くのパーツで構成されている部分は変わらないが、驚くべきはその作り込みだ。タングステンの量や位置、心地よい打感・打音を生み出すバーの配置、また多くの余剰重量を生み出すためのディンプル状に加工されたバックフェースなどが、“番手別”にすべて作り分けられているのだ。正直ここまで凝った作りのアイアンは見たことがない。

その目的は、アイアンの最大の使命、「狙った距離を正確に打てること」にある。ロングアイアンはしっかりと“高さを出す”、ミドルアイアンはターゲットを“狙える”、そしてショートアイアンは狙った場所に“止める”、これらを実現する、つまりスコアに直結する性能を限界まで追求したということだ。ロングアイアンからショートアイアンまで弾道の高さが揃い、結果としていわゆる“飛距離の階段”が整う性能が高まったのだ。

加えて一段と洗練されたデザインや形状、他の中空とは一線を画す心地よい打感、打音。生まれ変わった『P790』に死角は見当たらない。

テーラーメイド「P790」

ツアーモデルを踏襲したクセのない形状

アスリート好みの形状のPシリーズのなかで最もミスに寛容で、飛距離性能が高い。番手ごとに最適な重心設計を施し、必要なキャリー距離を安定して出せる(7Iのロフト角:30.5度)

トップブレードの厚さも微妙に変化させている
『P790』のトップブレードはやや厚めだが、8Iより下は薄めに作られ、ウェッジとのつながりがスムーズになっている

L字型で高初速エリアを広げたクロモリ鋼の鍛造フェース
鍛造のL型フェースはオフセンターヒット時でも弾道のバラつきを抑える。また「貫通型スピードポケット(3I~7I)」はフェース下部で打ったときでも無駄なスピンを抑え、高初速をキープ

打感、反発性、寛容性に威力を発揮する充填剤
「SPEEDFOAM™ AIR充填剤」はより軽くソフトに進化。薄くなったフェースの反発力を損なわずに、中空構造とは思えない打感、打音の良さを生み、寛容性にも一役買っている

番手によって内部設計がガラリと変わる!

各番手で最適な弾道を生み出すために、番手ごとの専用設計を実施、徹底的に重心の高さを管理した。ロングアイアンでもしっかりと“キャリー”を出せるアイアンに仕上がった

●全番手で同じ打感、打音を演出する制震バー
突起のような「サウンド スタビライゼーション バー」は文字通り、上級者好みの落ち着いた打球音を演出。全番手の打球音に統一感が出る

●バック側をディンプル状にして番手ごとに最適なMOIや重心に
THICK-THIN バックウォールキャスティング」というディンプル状のバックにより余剰重量を創出。番手ごとに最適な重心設計に

●タングステンの量と置き方も最適重心にするために変化
番手ごとに最適な高さやスピン量を生み出すためにタングステンの量と配置も変化させている(3I~7I)。ロングアイアンほど低く横長に置き、より低重心化。タングステン重量は前作から約1.2倍に!(3I~5I=33g、6I~7I=38g)

各番手の最高到達点が揃う

各番手の最高到達点を同じにすることが、飛距離のギャップを均等に整えるための“理想”とされている。番手ごとに異なる緻密な内部構造にすることで、この理想に限りなく近づいた

「スウィングに余裕を持たせてくれるやさしさがある」

試打・解説/細川和也

ツアーで活躍後、現在は東京・板橋の「プレミアムワールドゴルフ」でレッスンに勤しむ

「形状は一段とクセのない“いい顔”になって、弾道をイメージできる感じです。P790らしいやさしさも伝わってくるので、スウィングに余裕が生まれて、ナイスショットの確率が高い。まさしくやさしいアスリートアイアンです」

多少芯を外しても距離の差が少ない

「スウィングに余裕が生まれて芯を食いやすいのに加え、結構なオフセンターヒットでも飛距離と打感が大きく変化しません。ミスしてもグリーンには届いてくれる、この安定感は武器になります」

番手ごとに「打ちたい」と思う弾道が打てる

「ショートアイアンはスピンが入って左にも行きづらい、ミドルアイアンは高さとスピンで狙える、ロングアイアンは高さと弾きで飛ばせる。欲しい性能が個々に凝縮されています」

落下角も十分。グリーンでしっかり止められる

「7I、9Iは十分すぎるほどの落下角度でこれなら問題なくキャリーでピンを狙えます。そして飛距離。各々“キャリーで”飛ばせるので距離のギャップが整う。セットでの完成度が高いです」

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月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より