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【NEW GEAR STORY】ピンゴルフ「G430 HL」~PINGが軽量ドライバーを作った理由~

NEW GEAR STORY
2023.03.08

昨秋の国内男子ツアーで蟬川泰果の95年ぶりの日本オープンアマチュアV、チャン・キムのツアー最多記録の32アンダーに貢献、さらに国内女子ツアーやPGAツアーでも勝利を収めているピンゴルフ「G430」ドライバー。MAX、LST、SFTの3モデルに、軽量の「HL(ハイ・ロンチ/高弾道)」2モデルが新たに加わった。

PHOTO/Takanori Miki

「G430 HL」のフェアウエイウッド、ハイブリッドもHL専用ウェイトにより軽量化。振りやすくて、球が上がりやすい

「ピンは飛ぶけど、重くて振れない」
そんなゴルファーも多かった

「G430」は「G」シリーズの12代目。初代は2004年に発売された「G2」で、「ジェネレーション2」、つまり「次世代」という意味が込められていた。以来、歴代の「G」シリーズでは、慣性モーメントを大きくして寛容性を高め、深・低重心設計にすることでやさしさを追い求めてきた。

そして「G」シリーズは常にドライバーのトレンドの最先端を行ってい た。15年の「G30」では、スタンダード、「SFテック」(ドロー設計)、「LSテック」(低スピン)の3モデルをラインナップ。現在主流の“ドライバー3兄弟”を、どのメーカーよりも、いち早く採用。18年に高慣性モーメントの「G400 MAX」が登場すると、2年後には、どのブランドにも「MAX」モデルがラインナップされるようになる。

だがピンゴルフは、他者に先駆けることを意図して開発していたわけではない。それはブランドスローガンである「最大パフォーマンスを、すべてのゴルファーのために」を実践し続けた結果だった。言い換えれば現行のラインナップでは飛距離が伸ばせていないゴルファーが、次モデルでは恩恵を受けられるように開発してきたことで、モデル数が増えてきたのである。今回、登場した「G430 HL」2モデルも、「G430」3モデルとはターゲットとなるゴルファーが違うのだろう。

だが、ピンゴルフは1959年の創業当時から「前作を超えない限り、新製品を発売しない」という理念を貫いている。そのため「G」シリーズも代替わりするたびに前モデルよりも慣性モーメントが大きくなり、より深・低重心になっていった。11年の5代目「G20」では、「同じスピードならば、より重い物体のほうがぶつかった時の衝撃、すなわち運動量が大きい」という理論に基づき200gを超える重ヘッドを採用した。ところが、新しい「G430 HL」は軽量モデル。ヘッドを軽くすることは、慣性モーメントも小さくなるし、この理論とも矛盾しないのか?

そこでJR埼京線・武蔵浦和駅から徒歩2分、ちょうど1年前に完成した4階建てのピンゴルフのアンサー・オフィスを訪ねてみた。

ヘッドは「G430」とまったく同じ。
ウェイト、シャフト、グリップを軽量化

――なぜ、今回、軽量モデルを出したのでしょう?

「フィッティングで以前から『ピンのドライバーは重い』『球が上がりにくい』『振り切れない』と、クラブの性能を生かしきれず、思うような飛距離が得られないという声がありました。ピンでは最高のパフォーマンスが発揮できるようにフィッティングをしてクラブを提供していますが、既存のヘッドとシャフトの組み合わせでは、ヘッドスピード(HS)がそれほど速くないゴルファーにとっての選択肢が少なかったんです」(ピンゴルフジャパン プロダクトマーケティング・山崎力さん・以下同)

――でも、軽くするということは、慣性モーメント(MOI)が犠牲になってしまうのでは?

「これまでのデータの蓄積により、HSによってMOIの恩恵を受ける人と、それほど受けない人がいることがわかってきました。具体的にはHSが速いとボールがヒットしたときにブレやすいのでMOIが大きいほうがいい。でもHSが遅いと元々ブレにくいので、そこまでのMOIは必要ないということです」

――では、どうやって軽くしているんですか?

「実はヘッドそのものは『G430』シリーズとまったく同じで、ヘッド後方のウェイトをHL専用に約50%軽量化しています。20年近くかけて進化してきた『G』シリーズの最新モデルだからこそ実現できたヘッド形状と製法により、ウェイトを軽くしてもMOIは軽量モデル最大の上下左右8700g・㎠をキープできました。ただ、ヘッド後方のウェイトを軽くしたことで浅重心になり、そのままだと打ち出しが低くなってしまいます。それを補うために先がしなりヘッドが走り、高さが出やすい専用軽量シャフトを2本ラインナップ。グリップも握り心地は変らないが10g軽量化された専用グリップにしています。フィッティングスタジオで打ってみますか?」

見栄を張りたいゴルファーにも
ピッタリなクラブ

ということでHS38m/sの編集者が実際に打ってみることに。まずは「G430 MAX」から。素振りの時点で重量感を感じる。でも、さすがは「MAX」という感じのストレートな球。ただ、ボールが上がらずキャリーが出ない。これではコースに出たときに、運がよければランが出てそこそこ飛ぶが、バンカーなどのハザードがあったらつかまってしまう。そういえば、これまで何度も経験してきたような……。

次に「G430HL MAX」。見た目はほぼ同じなのに、手にした瞬間から軽い。これなら気持ちよく振り切れそうだ。結果は一目瞭然。球の高さが段違いで、程よいつかまり。トータルの飛距離では3.5ヤードのアップだが、それ以上にキャリーが19ヤードも伸びている! データを見てもHSは上がり、打ち出し角は約8度、高さは20ヤードも増えていた。まさに「HL」の名にふさわしい高打ち出しだ。続けて「HL」のFWとハイブリッドも打ってみたが、軽くて振り切れるので球が拾いやすく、球が上がってキャリーが出る。これなら高さでグリーンが狙えるだろう。

でも、軽量クラブを使っているのを仲間に知られたくないというゴルファーも多いだろう。「やさしいクラブ使っているんだ(笑)」と思われたくない……。その点も「G430 HL」なら安心だ。「G430」と同じヘッドだから見た目の違いはウェイトの色だけ。シャフトもカスタムシャフトのようなコスメ。これなら「へぇ、プロに人気の『G430』かぁ。しかも、女子プロの使用率1位のシャフトなんてやるね」と一目置かれることだろう。

「G430 HL」で高弾道!
キャリーも19ヤードUP

「G430 MAX」(上)では球が上がらず、ランで30ヤード稼いでいたが、「G430 HL MAX」(下)では高打ち出し、高弾道でキャリーが19ヤードUP。HSも上がり、球のつかまりもよくなった

週刊ゴルフダイジェスト3月21日号より