【ギア選びのウソホント】Vol.124 「“重心深度”は打ち出し角とスピン量の両方に影響する」
「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!
今回は、“重心深度”と「打ち出し角」「スピン量」の関係についてお話しします。
重心深度が深いとスピン量は増え、浅いとスピン量は減るといわれていますが、その理由については意外と曖昧な人が多いのではないでしょうか。
重心深度が深いと、必然的にフェース面上のスイートスポット位置が高くなります。するとギア効果でスピン量が抑えられるエリア(スイートスポット上部)に当たりづらくなり、結果としてスピン量が増えると考えられます。逆に重心深度が浅いとスイートスポットよりも上部に当たりやすく、スピン量が減るのです。では、重心深度が浅いほうがいいかというとそうではありません。
ドライバーやウッドなど後ろに長い形状のヘッドはダウンスウィングで後方に垂れる動きを見せます。ヘッドの後方が垂れるとフェース面は上を向くので、打ち出し角が高くなるのです。重心が深ければ深いほど、ヘッドが後方に垂れやすくなるので、深いほうが打ち出し角は高くなります。
つまり、重心を深くするほど打ち出しを高くできますが、スピン量も同時に増えてしまう。一方重心が浅いとスピン量は減らせますが、打ち出しが低くなってしまう。
このせめぎ合いがヘッド(とくにドライバー)の開発の肝となるのです。自分に合うクラブ・ヘッドは十人十色なので、一概には言えませんが、球が上がらなくて困っているなら重心が深いヘッドがいいでしょう。
堀越良和
ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」
週刊ゴルフダイジェスト2023年2月21日号より